「夏のパー パーティ」で体感したワンランク上のウイスキーソーダ

ふだん飲むのはほとんどワインで、ハードリカーにはめっぽう暗い。だから巷で人気だという「ハイボール」というものにも、さして興味がない、というのが本音だ。けれど、「夏のパー パーティ」というゴロのよい響きに惹かれてスコッチウイスキーのある空間に足を運んでみることにした。

 

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海辺に近い避暑地のような部屋に入ると、クラックル模様の焦げ茶色のボトルが目に入った。でも、見慣れた「オールドパー」とは少し違う。ラベルの色がいぶし銀なのだ。初めて見た。それに、まるで白ワインやシャンパーニュのように氷の入った大きな器に鎮座していた。「オールドパー シルバー」だった。

スコッチウイスキーは、ちょっと薄暗い照明のシックなデザインの部屋で、ダンディーな男性がソファーでくつろぎながらロックでじっくり、というイメージを抱いていた。夕方とはいっても夏だからまだ明るいうちから、ボトルごと冷やして、一体どんな風に飲むのだろう?

ところで、この「オールドパー シルバー」は、昨年生まれたばかりだという。“ノン・エイジ”なのでフレッシュで若々しい仕上がり、というのが特徴だ。

DSC_0083 ボトルごと冷やし、氷を入れて冷えたグラスにソーダと「1対3」の割合で入れ、かき混ぜる。これで極上のウイスキーソーダのできあがり。雪の中に置き忘れられていた樽に入っていたウイスキーが、まろやかでスムーズな味わいになっていると発見した。そのイメージで創り出されたのがこのシルバーだったのだ。

シャンパーニュのノン・ヴィンテージなら知っているが、ワイン道を歩む私には「ノン・エイジ」という言葉は聞き慣れないので尋ねてみた。例えば「オールドパー 12年」の場合には12年以上熟成させたウイスキーの原酒だけをブレンドしたものだ。「ノン・エイジ=熟成年数表記なし」の場合にはスコッチウイスキーでは「3年以上」の原酒をブレンドしなければならない、という規定があると教わった。

ということは、8年熟成のものや10年熟成、はたまた20年以上熟成の原酒も使っている可能性だってあるのだ。詳細は企業秘密のようで教えてはもらえなかったが、ウイスキーの王道をいく「オールドパー」が手がける作品のひとつだから、ウイスキー通の方々なら味わえば推して知るべし、なのにちがいない。

 

淡い黄金色をした泡の出る液体に変身した「オールドパー シルバー」は、実に爽やかで、夏の夕暮れに汗ばんでいた身体に涼風を送り込んでくれた。雪の中で置き忘れられていたウイスキー樽をヒントに造られたので、フレッシュ感をもたらすDNAが入っているからかもしれない。スコッチ独特の香りは繊細になり、穏やかで清涼感に溢れながらどこか落ち着きのある味わいだった。

スコッチを、ソーダで割ってもいいのだ。少し肩の力が和らいだ。

それに、カウンターにはハーブやスパイス、谷中生姜まで置いてあった。これをグラスに?

さすがに正統派スコッチの代名詞でもある「オールドパー 12年」では気が引けるが、末っ子のような存在の「オールドパー シルバー」ならば、遊んでもよいのかもしれない。

私はまずミントの葉を入れてもらった。隣の女性はピンクペッパーで、もうひとりの男性は谷中生姜だ。それぞれが「どう?」「そっちは?」と、人のグラスの中身に興味津々になる。「オールドパー シルバー」ウイスキーソーダ+αの体験が初めてなのは、私だけではなかったようで、ちょっと安心した。

 

自宅で食卓にのぼるのは、本当に毎日ワインだ。ワイングラスのないテーブルはいかにも寂しいから、たとえミネラルウォーターでもワイン用のグラスで飲んでいる。「シルバー」は、「オールドパー」の威厳を備えながらも肩肘張って飲まなくてもよいようだし、自由度が高いとわかった。

parrright この夏は、B.B.Q.や友人との集まりのアペリティフに、内緒でワイングラスに「オールドパー シルバー」ウイスキーソーダを入れて、出してみようか? 中身を当てた人には「あなたはさすが、右肩上がりの人ですね」と言うことにしよう。

スコッチウイスキーの世界は何だか難しそうだと思っていたが、たまには覗いてみよう、という意欲がようやく出てきた。今後のウイスキー探訪を楽しみにしていただきたい。(Y. Nagoshi)

一部画像提供:MHD モエ ヘネシー ディアジオ

 

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