特集スピリッツ/スタンダード市場の活性化からプレミアム・クラフトに脚光も

「角ハイボール」に代表される国産ウイスキーの食中酒提案がウイスキー市場全体を活性化させ、プレミアムやクラフトウイスキーへの興味関心につながったように、上級レンジへのランクアップを誘引するうえで、消費のすそ野づくりが必要不可欠といえる。メーカー、インポーターは、ウイスキーを成功モデルとして、スピリッツでもスタンダード、プレミアム、クラフトの商品ポートフォリオの再構築を急いでいる。

こうした中で、最近注目されているのがジン・ウオッカカテゴリーへの梃入れだ。

 

ジン・ウオッカカテゴリーが活性化

輸入ジンではプレミアムジン№1ブランドの『ゴードン』が大幅にリニューアルされた。また、ペルノ・リカール・ジャパンはプレミアムクラフトジン『MONKEY47』の取り扱いを開始した。ペルノ・リカールがブラックフォレスト蒸留所を買収したことによるものだが、新商品はドイツ・シュヴァルツヴァルトのブラックフォレスト原産の47 種類のボタニカルを使用し、既存のジンとは異なる“NEWWAY” と位置付ける。

国産ではアサヒとサントリーがいずれも1995 年に発売したロングセラーブランドである『ウィルキンソンジン・ウオッカ』と『アイスジン・ウオッカ』を23 年ぶりにリニューアル。サントリーはフレーバータイプのRTD 商品のラインナップも強化した。さらに、アサヒはプレミアムレンジの『ニッカカフェジン・ウオッカ』を、サントリーはクラフトジン『ROKU』を上市した。

いずれも国内発売に続いて海外への輸出も予定しており、ジャパニーズウイスキーに続く、ジャパニーズジン・ウオッカという新しいカテゴリーの創出を視野に入れている。

 

新しい世代のバーテンダーが台頭

升喜展示会

洋酒カテゴリーでは、国内外を問わず、素材や製法にこだわったスピリッツやリキュールへの注目度がかつてなく高まっている。その背景には、ロンドン、ニューヨークを中心に、新しい世代のバーテンダーが台頭し、ミクソロジーカクテルの進化により、こだわりを持ったプレミアムブランドを探し求める傾向が強まっているからだ。

こうした中、小ロット・小規模生産に基づく様々なスピリッツ製品が市場に投入され始めている。スピリッツは基本的にウイスキーのように熟成に長い年月を必要としないため、造り手のクリエイティビティを反映しやすいという一面があり、世に出回る新たなブランドも増える傾向にある。

(A.Horiguchi)

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トップ画像:三井食品展示会

主な輸入プレミアムスピリッツブランドの2016年販売量
数量 前年比
(ケース) (%)
ジン
1 タンカレー№テン 3,453 106
タンカレーブルームズバリー 560
2 スターオブボンベイ 2,000 106
3 ヘンドリックス 1,400 120
4 ザ・ボタニスト 607 108
5 №3ロンドンドライジン 600 112
ウオッカ
1 グレイグース 4,100 128
2 シロック 2,333 132
3 フィンランディア 959 102
4 ケテルワン 560 602
※本誌推定(1ケースは9ℓ)

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