インタビュー/石田博ソムリエに聞く「レストラン ローブ」のワインリストが多国籍な訳

大橋健一MWのインタビューの際に出てきた「世界を均等に見る姿勢が必要だ」という石田博ソムリエの言葉が印象に残り、その考えに至った経緯を直接本人に尋ねることにした。

 

<フィードバック>

世界大会(昨年4月開催の世界最優秀ソムリエコンクール)に向け、約2年半ブラインド・テイスティングの訓練をした。特にフランス以外の国を強化したが、ずっとトレーナーをしてくれた中本さん(「レストラン・ロオジエ」シェフ・ソムリエ中本聡文氏)が選んでくるワインがどれも素晴らしく、驚くことが多かった。

また、積極的に海外へ出て生産者を訪問した。その際にアジアの他国のソムリエなどにも会ったが、彼らのフランス以外の各国のワインに対する知識が深いことにも刺激され、進んでいると感心した。

これほど世界各国で質の高いワインができ、他国の人も高く評価しているとわかったのに、何も行動に移さないわけにはいかないと考えた。だから、この「ローブ」という店をシェフとパティシエと3人で立ち上げるにあたり、世界へ向けて培った自分の知識やサービスをフィードバックする場所にしようと決めた。彼らの料理やデザートの基本はフランス料理にありながら、どこか特定の国や地方に帰属するものではなく、フランスワインが少ないことも気にしないという点も後押しになった。

もうひとつは、日本にマスター・オブ・ワインが生まれたこと。大橋さんがMWになり、その活動を知るようになった。例えばギリシャやジョージアなど、今まで情報がほとんどなかった国についての発信が始まった。それを実際に消費者へ伝えるのが私たちの役割だと考えている。知られざる国や産地のワインでも偏見なく飲まれるようになるために、一役買えればと思っている。(Y. Nagoshi)

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