- 2015-10-21
- Wines, ニュージーランド New Zealand
南島の北東部、マルボロ地方のブランコット・ヴァレーで2010年に創業した、岡田岳樹氏の「フォリウム」は、いわゆるニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランとは別の路線を歩んでいる。新ヴィンテージ2014年と共に、その方向性を聞いた。
<フォリウムの畑>
ニュージーランド最大の産地マルボロでは、近年サブ・リージョンの区別をつけ始めている。45%の栽培面積を占めるのが海に近いワイラウ・ヴァレーで、河川由来の土壌で石ころが多い。フォリウムがあるのは、少し内陸に入ったサザン・ヴァレーの小地区ブランコット・ヴァレーで、より涼しく乾燥しており、氷河期の土壌で粘土質がメインとなる。ここはマルボロ全体の25%を占める。そして、一山越え、より涼しくドライで風の多い地区がアワテレ・ヴァレーとなる。
岡田氏がマルボロを選んだ理由のひとつは、気候的に恵まれていること。「マルボロが一番安定してワインを造れる産地だと思っている。例えばセントラル・オタゴは、ヴィンテージによっては収穫が半減してしまう」という。
フォリウムは、8.4haのうち6.0haが葡萄畑で、植樹は1996年に行われている。ニュージーランドにしては高い植樹率でヘクタールあたり4,200株。灌漑施設は整っているが、粘土質があることと、「降雨パターンはヴィンテージを特徴づける大きな要因」だという考えから、ほとんど利用していない。
2012年はとても寒く厳しい年だったが、2013年は極めてノーマルな年。2014年は、夏の天候はよかったが比較的涼しめで、その後も天気がよくゆっくり成熟し、しかも収穫量が得られた。反対に2015年の場合には、少し干ばつ気味でさすがに2回だけ水を与えた。ドリップイリゲーションで、5、6時間だけ多めに与えるという。この2015年は収穫が早めに行われ、量は若干少くなった。
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