アルベール・ビショー マスタークラス開催

大橋健一MWとアルベール・ビショーの栽培責任者クリストフ・ショヴェルさんによるアルベール・ビショー・マスタークラスが開催された。

 

セミナーのテーマは、「世界のワインシーンを見据えた新しいポートフォリオのすすめ」。アルベール・ビショーの強みは何かを見直す所から始まる。大橋さんは強みを4 つ挙げた。

 

①アルベール・ビショー=ネゴシアンという図式があるが、ネゴシアンであると同時にドメーヌを持っている。シャブリ、ニュイ・サン・ジョルジュに2 か所、ポマール、メルキュレイ、ムーラン・ナ・ヴァンの6か所に計102.5ha。生産量の1/3を占める。つまり、ビショーはドメーヌの集合体であり、ビショーを扱う時、その3本に1本はドメーヌワインを扱うことであるという。

 

②一貫した品質へのこだわりを持ち、溶存酸素を0.5mg/l に抑えるなど数値化して管理している。

 

③数々の賞を受賞し、航空会社にも採用されている。特筆すべきは、全日空と日本航空の2 社に採用され、日本の両翼に乗ったメーカーと言える。

 

④持続可能な栽培のアプローチとして有機農法に取り組んでいる。

 

栽培責任者のクリストフ・ショヴェルさんが、持続可能な栽培法へのアプローチについて説明した。

 

①有機農法 2000 年から有機農法に取り組んでいたが公表したのは2018年になってから。有機農法は、物事をグローバルに見る視点や投資が必要で、またトライ&エラーの繰り返しで時間がかかる。

 

②ブドウ畑の健康状態 大切なのは果実と根とテロワールのバランス。それを見極めるには畑をよく観察すること。

 

③思慮深い栽培 生えている草がハコベなのかコケなのかといった種類により、耕作の回

数や深さ、タイミングなどを変える。病気の予防処置としてフルーツゾーンを高めに設定

するなど。

「このように手間暇のかかる有機農法を取り入れる理由は、それぞれに異なると思うが、私たちは100%完璧ではないとしても環境保護のため、持続可能なブドウ栽培をするために行なっている」。また、「根と土のバランスが良ければよい果実ができ、土地の持ち味の生きたワインになる」と、畑にいる時と同じ格好( 大橋さん曰く) のショヴェルさんは言う。

 

次にブルゴーニュワインの世界的な不足について考える。ブルゴーニュワインは2010 年以降生産量が少ないと言われているが、BIVBの発表では、それほど少ない訳ではない。例えば、2009年は1,548,000hl、2010年は1,351,000hl、2011年は1,525,000hl、2012年、2013 年が1,200,000hl 台と少ないものの、2014年は1,571,000hl、2015年は1,494,000hlという具合で毎年生産量が減っている訳ではない。輸出量も少し減ったもののほぼ横ばい。にもかかわらず、輸出価格は2010 年以降高騰している。

 

また、日本へのブルゴーニュワインの輸出量はなだらかに減少。これらは何を意味するのか。特に業務用市場でのブルゴーニュワイン離れを表しているのではないかと考える。ブルゴーニュワインの価値を訴求し、売る側の誰もが客に説明できる品揃えを考える必要がある。

 

上級ネゴシアンであるビショーは、品質が高く欠品が少なくて扱いやすい。また価格面でのブルゴーニュ離れに対しては、つぎのような提案をすることが可能である。

 

①同じアペラシオンでリーズナブルなワイン。例えば、AOP ブルゴーニュに対してブルゴーニュ・ヴィエイユ・ヴィ―ニュ。

②代替になる“ サブアペラシオン”。例えば、シャサーニュ・モンラッシェに似ている味わいとして手頃な価格のメルキュレイ・ブランなど。(K.Hosogai)

 

つづきはWANDS 2019年4月号をご覧ください。
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