シチリア・アン・プリムール2019 Sicilia en Primeur 2019

シチリアのワイン生産者協会アッソヴィーニ・シチリアが主催する「シチリア・アン・プリムール2019」が5月6日から10日まで行われた。今年で16回目になり、50ワイナリーが参加し各国から100名以上のジャーナリストが集った。会期前半は8グループに分かれて各地域のワイナリーを訪問し、シチリアの産地の多様性について体感し、後半は今年はシラクーサに集結し500以上の銘柄を生産者と対面して、あるいは別室でブラインドで試飲する、さらにいくつかのマスタークラスが準備されている、という充実したプログラムだ。

 

シチリア2018はバランスの年

シラクーサの会場で試飲が始まる前に、エノロジストでコンサルタント会社UVA SAPIENSの創設者マッティア・フィリッピが、2018年の天候と収穫状況について解説した。

 

シチリアの安定感

2018年の特徴を一言で説明すると ”the power of balance”。暑く乾燥した2017年がエネルギーの年であったのに対し、2018年はバランスに優れていたと言える。

(中略)

アロマ豊かでエレガント

加えて、成長期の気温が低めでゆっくりと成熟が進み、とりわけ収穫期の気温の低さで白ワインのアロマと酸が保たれた。中でもグリッリョとジッビーボはこの恩恵にあずかり、2018年のスター的存在となった。特に標高が高い産地でこの年の特徴が顕著に出ている。

赤用品種においては、2017年より2週間収穫が遅く、色の凝縮度や大きさは2017年ほどではないが、かえってエレガンスとフレッシュさが特徴だと言える。シラーが最も優れた結果が出た品種であった。また、南東部が面白い。シチリアの中で南東部だけは。それほど雨が降らず風がよく吹き、大変健全でな状態でネロ・ダーヴォラ、フラッパートがゆっくりと成熟し、パーフェクトだった。

エトナでは、成長期の降雨量がとても少なかった。カリカンテは雨が降り始めた10月より前に収穫が終了しており完璧な収穫だった。ネレッロ・マスカレーゼとネレッロ・カプッチョについては10月の雨が気になるところだが、畑の標高や斜度によって状況が様々だった。イレギュラーなパターンであったが、それによりアルコール度数は若干低めでありながら熟成可能性に期待ができる年だ。いずれにせよ、2018年はバランスよく、アロマが豊かで酸が高く長寿な、記憶に残るヴィンテージとなることに間違いない。

これらすべての要素をまとめると、2018年のシチリアは「バランス」のヴィンテージだと断言できる。(Y.Nagoshi)

つづき(シチリアワインの熟成ポテンシャルby マーティン・ハドソンMW、火山のワイン産地シチリア北東部の産地を巡る)は、WANDS 9月号をご覧ください。
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