最高で最少のヴィンテージ サロン2008年

9月19日から待望のサロン2008年のリリースが始まった。最高のヴィンテージにして収穫量が最も少ないサロン2008は、マグナムサイズで8,000本のみ。社長のディディエ・ドゥポンは、この稀少なサロンの付加価値をさらに高めて世に送り出した。

 

サロンはおよそ3年に1度ほどリリースされ、1ヴィンテージで約6万本造られる。ところが2008年はマグナムで8,000本のみ。つまり、およそ4分の1の量しかない。「本当に傑出した年で、2002年や1982年を思い起こさせる」。瓶詰め前のヴァンクレールの試飲の際、マグナムだけにすると決定した。加えて2010年も2011年もサロンは存在せず、2008年の販売量も限られている。だから、2010年の時点で2004年、2006年、2007年の在庫を残しておくことにした。そして、2008年のマグナム、2004、2006、2007をそれぞれ2本ずつという世にも稀な豪奢なセットができあがった。もちろん8,000箱しかない。

それぞれ異なる個性のサロンが揃っている。「2008年は夢のヴィンテージ。2007年は光に満ちた明るい年。2006年はロマンティック。2004年は澄みきった静寂のヴィンテージ」と形容した。いずれも今年1月にデゴルジュマンした。2008年は卓越しているからこそ飲み頃まで待たなければならない。「2025年ぐらいからだろうか。だからそれまでは他の年を楽しんで待っていてほしい」という。

 

ドゥラモット2012

サロン2008に出会える機会は極めて少ないが、ドゥラモットの2012年には手が届く。こちらは8月から日本での発売が開始された。サロンも次は2012年で、2021年後半にリリースされるのではないかという。この年は質も量も十分で、フローラルなのが特徴だ。コート・デ・ブランの特級、ル・メニル・シュール・オジェ、オジェ、アヴィーズ、クラマン、シュイィ、オワリィ、6村すべてのシャルドネを用いている。「6つの特級だけで造るブラン・ド・ブランはドゥラモットだけ」。以前は4つの特級だけだったが、2008年からシュイィとオワリィが加わった。「完璧なエレガンスがあり、飲み口が心地よい。白い花の香りが緻密で、テンションがあり、塩味も。混じり気がない」。洗練された味わいだ。

 

ティアノ&ナレノ 

ディディエ・ドゥポン氏( )とアリエル・サビナ氏。サロンもティアノ&ナレノも、JALのファーストクラスに採用。

ちょうどラグビーW杯でフランス対アルゼンチン戦が開催されるのに合わせて、ディディエ・ドゥポンの15年来の友人アリエル・サビナも来日した。がんの免疫学の権威であり、アルゼンチンの「ティアノ&ナレノ」のオーナーも務めている。サロンの哲学にインスパイアされて2005年に始めたプロジェクトだ。

父方の祖父ティアノと母方の祖父ナレノは、ともに1908年にイタリアからメンドーサに移住してブドウ栽培を始めた。その畑は他社に売られていたが、所在を探し現在の所有者から最上の区画のブドウだけを購入することに成功した。実は2人の甥が管理している畑だったことも功を奏している。また、醸造は姪の夫にあたるロベルタ・ドラモッタの醸造長のルイス・ペロコが造っている。血縁の結束で実りを得ることができた。

傑出した年のみ、最上の品質で、すぐに美味しく飲めるが20年以上熟成可能な赤ワイン。サロンの哲学に倣い2010年、2013年、2014年、2015年と造り、次は2017年となる。

現行の2015年は樹齢80〜85年のマルベックを主体でカベルネ・フランを20%ブレンド。生産量はマグナムを含めて多くても6,000本までと少量だ。樽香が出すぎたり、抽出が強すぎたりするワインではなく、肉料理はもちろん魚でも合わせられるバランスよいクラシックなアルゼンチンのワインを造りたいと考えている。フローラルな香り、力強さとエレガンスを兼ね備えた緻密な造りだ。(Y. Nagoshi)

輸入元:ラック・コーポレーション

トップ画像:全世界で同時に発売開始された。日本円で100万円をくだらない値のようだが即完売したという。

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