ポルトガルのヴィニョ・ヴェルデ Vinho Verde

ポルトガルのワイン生産地域のなかでもっとも西北端に位置し、南はスペインに源を発しポルトの生産地域を経て港町オポルトへと下るドウロ川の右岸域、西は大西洋を臨み、北はミーニョ川を隔ててスペインのリアス・バイシャスと国境を接するところ、それがヴィニョ・ヴェルデだ。ヴィニョ(Vinho)は言うまでもなくワイン、ヴェルデ(Verde)は緑を意味しているが、この“ 緑” は本来、この地域が起伏に富み緑豊かな自然に恵まれていることに由来しているのだという。それと同時に、ヴィニョ・ヴェルデの“ 緑” は、微発泡でアルコール度数も低め、フレッシュな味わいの早飲みタイプで軽快な辛口白ワインのイメージともダブっている。そうしたヴィニョ・ヴェルデはこれまでカジュアルで親しみやすく、手ごろな価格で手にすることができるワインということで世界的に多くのファンを引きつけてきたが、一方で偉大なワインというイメージとは対極に位置していた。

Villa de Rixaに広かる畑

Villa de Rixaに広かる畑

しかし、ヴィニョ・ヴェルデには赤やロゼもあるし、近年は適地適品種の栽培、低収量の収穫を実践し、樽発酵・樽熟成を行って、長期熟成可能なワインもどんどん造られている。こうした流れの背景には、どちらかといえば赤ワイン主導のスペインワイン産地にあって、アルバリーニョ(Albariño)を使った辛口白ワインで国際的にも注目を集めているリアス・バイシャスの影響も無視できないのだろうが、ヴィニョ・ヴェルデがいま大きな変革の時を迎えていることは間違いない。初夏のヴィニョ・ヴェルデ各地のワイナリーを訪問し、この地域のポテンシャルとワイン造りの方向性を探った。(M. Yoshino)

つづく/これ以降の内容につきましては、「ウォンズ」本誌「11月号」P.47〜52をご覧下さい。WANDS本誌の購読はこちらから

訪問ワイナリー:Anselmo Mendes / Auinta da Aveleda / Quinta da Gomariz / Quinta da Azevedo / Aphoros Wines (Quint do Casal do Paco) / Quinta de Soalheiro / ADEGA Pont de Lima

画像:ヴィニョ・ウェルデの最北端、メルカソはアルバリーニョのメッカ

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