キリンSVB代官山で、IPA、木樽熟成、ワイン酵母ビールを限定発売

キリンのクラフトビール新会社「スプリングバレーブルワリー」(SVB)は、新たなビアカルチャーを創造するパブ・ブルワリーとして、東京・代官山から積極的な情報発信を行っている。

極上の苦味の追求から生まれたインディアン・ペール・エール(IPA)第1弾(IPA#1)に続き、さらによりフルーティーな香りと上質な苦味にこだわったIPA第2弾(IPA#2、abv5.5%)を数量限定で提供した。

ホップは4種類。「パッションフルーツのようなフルーティーな香りをもったギャラクシー(Galaxy)とマスカットやライチ、マンゴーを思わせる香りが特徴のエラ(Ella)のいずれも豪州産ホップ2種。さらにマスカットやライチを思わせる香りが特徴のニュージーランド産モチュエカ(Motueka)と豊かで奥行きのある香りと上質な苦味が特徴のチェコ産ザーツ(Saaz)ホップを使用した」という。

東京・代官山では、10月第1土曜日を解禁日として、今年収穫したばかりの国産ホップで仕込んだビールを樽開けして乾杯するイベント「フレッシュ・ホップフェスト2015」を初開催

東京・代官山では、10月第1土曜日を解禁日として、今年収穫したばかりの国産ホップで仕込んだビールを樽開けして乾杯するイベント「フレッシュ・ホップフェスト2015」を初開催

キリンSVBシニアマスターブルワーの田山智広氏によれば、「9月下旬に米国のホップ一大産地であるヤキマバレーに行ったが、ホップの使用量でいうとクラフトビールがついに50%を超えたという。米国のビール市場でクラフトビールの構成比は数量では7~8%だが、(単価が高いので)金額では20%に迫る勢い。その分、ホップをふんだんに使用している。この傾向は2000年代後半から続いており、中国の新疆ウイグル自治区でもホップ畑が誕生するなど、ある意味“ホップバブル”が起きている。日本国内でも再び育種開発の必要性が高まっている」という。

なお、今回の「IPA#2」でもホップをふんだんに使用している。

東京・代官山では、さらに、バーボン樽で4カ月間熟成させた「木樽熟成シリーズ~樽熟FIRST CROSSING」(abv8.5%)やワイン酵母を使い、これまでで最も“濃い”(アルコール度数の高い)ビール「ROCKING CHAIR」を順次数量限定で提供。いずれもキーホップには白ワインを思わせる香りが特徴のニュージーランド産のネルソンソーヴィン(Nelson Sauvin)を使用している。

それぞれ「バーボン樽由来の甘く複雑な香りと味わい」「ワイン酵母由来のフルーティーな香りと芳醇な甘味・酸味が調和した白ワインのような味わい」という。(A. Horiguchi)

 

画像:今年収穫されたばかりの国産ホップ。「夏は日照り続きで降水量は(後半に)少なかったため、例年よりも収量は少ないが、香りは穏やかで柔らかく、しっかりと苦味の利いた良質なホップに仕上がった」という。なお、遠野産ホップ「IBUKI」(いぶき)は別名「キリン2号」。チェコ・ザーツ産との交配品種で日本発祥のホップ「信州早生」にキリンが改良を加えたファインアロマホップ

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