アペレーション・マールボロ・ワイン AMW

ニュージーランドで初となる、2018年6月に登録されたアペレーション・マールボロ・ワイン(以下AMW)は、世界の主要なワイン市場(北アメリカ、ヨーロッパ、アジア)で法的に商標登録されてきた。設立当初は38社だったメンバーは現在50社となり、認定ワインは100を超えている。

もちろん目的はマールボロで生産されるワインの原産地、信憑性、完全性を保護すること。特にバルクワインや他地域のワインを使用・ブレンドしたワインとはっきりと分けたいという意図がある。これにより、消費者にも高い品質が保証できる。

数年前にマールボロで開催されたソーヴィニヨン・ブランのコンフェレンスで、マールボロならではのソーヴィニヨンの特徴がどこから、なぜ現れるのか、どのようにすればそれを長く保てるのか、という内容のレクチャーが行われていたのを思い出す。世界に認められた産地として、ユニークな特性を備えたワインとして、独自のアペレーションを持つべきだとの議論が高まった結果だと考えられる。以下、 AMWから発信されたリリースの内容をかいつまんで記す。

世界ではおよそ122,000haのソーヴィニヨン・ブランが栽培されており、世界で最も人気の白ワインのひとつとして確固たる地位を築いている。中でもニュージーランドの重要性は見逃せない。ニュージーランド・ワイングロワーズによると、2019年にニュージーランドから輸出されたワインの85%は、マールボロのソーヴィニヨン・ブランで、その金額は18億3000万ドルだった。品質と信憑性が肝心で、有名なワイン産地の品質に対する評判は、生産者にとって守るべき重要な事項である。

AMWブランドを得るには、マールボロだけで栽培されたブドウを使用し、土壌のタイプや植樹密度に応じて設定されたパラメーターの範囲内で収穫をしなければならない。また、ワインはニュージーランドのサステイナブル・ワイングローイング・ニュージーランドの認証を受けた畑から収穫したブドウで造らなければならない。(GIマールボロの場合は85%以上がマールボロ産ブドウでよいなど、ルールがAMWほど厳しくない)

アペレーション・マールボロ・ワインの会長を務める、ドッグ・ポイント・ヴィンヤードのオーナー、アイヴァン・サザーランドは「この地域が築き上げてきた名声を守るための品質保証のマークが付けられ、自信を持って消費者に選んでもらえるようになった」と述べている。また、クラウディ・ベイ・エステイトの支配人ヤン・シェン曰く「これは、今や世界的なアイコンとなったニュージーランドワインを守るための第一歩だ」。

 

ちなみにAMW認証マークが付けられ始めたのは2018年ヴィンテージからで、どのワインが何年から認証を受けたかはこちらのリストで確認できる。認証取得のワインリスト

また、フォリウムの岡田岳樹氏にこの認証について尋ねたところ、次のような意見だった。

「GIマールボロは基準がないに等しかったし、バルクワインとの差別化が目的なのでよい取り組みだと思っている。バルクとの格差をつけるために瓶詰め場所を国内に限定した。マールボロだけにしなかったのは、醸造所が他地域にある大手を配慮してのこと。フォリウムのワイン造りはAMWの基準をクリアーしているのでいつでも入れる状態だが、書類の準備ができていないだけ」。

(Y. Nagoshi)

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