標高800mの高地でエレガントなワイン造りを進めるクィーンズランドの「シロメィ」

クィーンズランドといえばまず思い浮かべるのはゴールドコーストで、多くの日本人観光客で賑わっているが、そこから車で3、4時間の内陸部に入ったグラニット・ベルトがいまワインの造り手達から熱い視線を集めている豪州の冷涼葡萄栽培地域の一つであることはまだ一般にはあまり知られていない。

南緯およそ28 度。長さ約50Km、幅20km に広がるこの葡萄栽培地域はオーストラリアにおける葡萄栽培地としてはもっとも北に位置している。しかし同時に、2 億年前の造山活動によって隆起した台地の標高はおよそ800m、ニューサウスウェールズ州のオレンジなどとともに、豪州のなかではもっとも標高が高い葡萄栽培地域だ。

 

今日、グラニット・ベルトには約40 のセラードアがオープンンしているが、その内のひとつ、シロメィ(Sirromet)は1997 年以来3カ所、計100ha におよぶ畑を所有。

白ではシャルドネ、ピノ・グリ、ヴィオニエ、ブデロ(ヴェルデーリョ)の4 品種、赤ではカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、プティ・ヴェルド、シラーズ、ピノ・ノワール、ネッビオーロの6 品種を栽培している。ピノ・ノワールは主にスパークリングワイン用。収穫された葡萄は2000 年にブリスベインとゴールドコーストの間に建造された近代的なワイナリーに3 時間かけて運ばれ、そこでクラッシュされている。

 

創業以来、ワインメーカーを務めるアダム・チャップマン氏は90 年代初頭にはフライングワインメーカーとしてフランスのポムロールやブルゴーニュでワイン造りを経験。オーストラリア国内では、ピーター・レーマン、エルダートン、クロンドルフ、そしてハンター・ヴァレーのブロックンウッドなどでもワイン造りを行ってきた。

何故、クィーンズランドでワイン造りを?と尋ねると、「バロッサはワイン造りで140 年の歴史があるけれど、ここはたかだか30 年か40 年。エキサイティングな新しい土地で、高品質のワイン造りにチャレンジをしてみたかったからさ」との応えが返ってきた。

 

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