サントリービール 東京・武蔵野ブルワリーガイドツアーを刷新

サントリービールは4つの工場の名称を変更した。すべて「天然水のビール工場」に統一し、“天然水醸造” を訴求するとともに、醸造家のモノづくりへの情熱とこだわりを、新しくなった『ザ・プレミアム・モルツ』(以下、プレミアムモルツ)とともに情報発信するのが目的だ。

東京・府中市の武蔵野ビール工場は「天然水のビール工場 東京・武蔵野ブルワリー」に名称変更した。同時に工場ガイドツアーも刷新したというので、早速、報道関係者向けの体験ツアーに参加した。工場内は専門スタッフが案内してくれた。

冒頭、猪澤伊知郎工場長は「1963 年に竣工した東京・武蔵野ブルワリーは、サントリービール発祥の工場であり、同時にプレミアムモルツが生まれた工場でもある。1989 年に工場内にミニブルワリーを開設し、プレミアムモルツの前身であるモルツ・スーパープレミアムが発売された。醸造家は日々、世界最高峰のビールをつくるという情熱とこだわりを大切にしている。その思いは若い世代にも脈々と受け継がれている」と挨拶。

同社には、「おいしいビールをつくるには、おいしい水から」という思想があり、天然水で醸造できる土地を選んで工場を操業している。これを今回の名称変更で名実ともに明確にしたというわけだ。

武蔵野ブルワリーで使う天然水は軟水。表層は多摩川が流れているが、水源は丹沢や奥多摩、秩父の方から続く、深さ100m 前後の地下水脈であることを紹介。この水脈を守り維持するために、同社では現在、2020 年までに1万2000ha におよぶ「天然水の森」倍増計画に取り組んでいる。これは工場で汲み上げる水の2倍の地下水を涵養する規模となる。

次に原材料へのこだわり。まずは麦芽。プレミアムモルツに使われる希少なダイヤモンド麦芽はうまみ成分がたっぷり含まれているが、非常に硬い構造であるため、麦汁にする際には、仕込釜での煮出し(煮沸)をわざわざ2回行う「ダブルデコクション製法」を採用している。プレミアムモルツ最高峰<マスターズ・ドリーサントリービールでは3回(トリプルデコクション)も行っている。このデコクションの回数は一般的には1回だが、ピルスナー最高峰と目されるブドバーでは2回、ウルケルでは3回ともいわれる。まさに、手間のかかる最高水準の製法が採用されているということだ。

武蔵野ブルワリーでは、通常のビール工場よりも小さい100㎘タンクを使用し、1回の仕込みが1回の発酵となる1バッチ式(1釜方式)を採用している。これだと大量生産には向かないが、酵母へのストレスを抑え、おいしいビールをつくるのに適している。

次にホップ。プレミアムモルツでは欧州産アロマホップを使用し、良質なホップを調達するために醸造家が毎年出向いて栽培農家と協力関係を築いている。

醸造工程では、煮沸開始前にアロマホップを投入することで、引き締まった苦味を抽出する。煮沸が終わったら、今度は希少なチェコ産のファインアロマホップを投入することで、上質で華やかな香りを引き出すことができる。このようにホップを複数回に分けて投入する「アロマリッチホッピング」製法を採用している。

5年ぶりとなる大幅リニューアルでは、ホップの栽培技術、麦芽のハンドリング技術、仕込みの温度技術など、今までの技術の粋を注ぎ込んだ。

こうして新しくなったプレミアムモルツでは、「香り・コク・香り」を訴求している。

香りには、鼻先で匂いを嗅いで分かる鼻先香(オルソネーザルアロマ)と喉の奥から鼻に抜けて感じる口中香(レトロネーザルアロマ)の2種類がある。伊澤工場長によると、2度目の「香り」は「余韻」という言葉にも置き換えられるという。新しいプレミアムモルツは、ワインと同じように香りを愉しむ世界へと誘ってくれる。(A.Horiguchi)

トップ画像:乾杯する伊澤伊知郎工場長

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