アルプスに連なる高い山並みと深い渓谷 多様な気候が育むサヴォワワイン

フランスのサヴォワ地方がワインのプロモーションに乗り出した。

このほど11ワイナリーが来日してサヴォワワイン試飲会を開催した。そのワインの概要を紹介する。

 

サヴォワはどこにあるか。

ブルゴーニュの東側、スイス・レマン湖の南、イタリアと国境を接する地域である。標高1,500mを超える山々が連なり、3,500m 級の山が36 峰もあるサヴォワ地方はまさに山岳地帯。サヴォワのブドウ畑は比較的なだらかな標高250m~450mに位置している。

 

<サヴォワのテロワール>

氷河の流れが渓谷をつくり、氷河の運んだ土石が堆積してモレーン(氷堆石)土壌をこの地に残した。またグラニエ山の崩落によってできた土壌や大雨によってできた沖積土壌もある。これらの痩せた土壌は標高の高さに由来する冷涼な気候と相まって、ブドウ以外の作物の栽培にはとても難しい自然条件である。斜面に位置するブドウ畑は成熟に充分な日照と熱量を確保できるので、ブドウは9月には完熟するという。

ローヌ・アルプ地方の4 県にまたがるサヴォワのブドウ栽培総面積は2077ha。フランスのAOP原産地呼称ワインの0.55% を占めるにすぎない。しかし、ワイン産業がサヴォワ地方の農業に占める割合は多く、生産高でトップ3に入る。強い個性をもつ白ブドウの栽培が主体で、白ワインが生産量全体の70%を占め、赤ワインは20%、ロゼワイン5%、そして新たに認可された発泡性ワインのクレマン・ド・サヴォワが5% ある。

サヴォワはさまざまな気候条件の影響を受け、その交差点にあたる。この地は大陸性気候で夏の暑さと冬の寒さの厳しさが特徴。また、遠く大西洋からやってくる海洋性の雲が悪天候をもたらす。地中海から襲ってくる熱波は夏の干ばつをもたらす。

 

<サヴォワのブドウ品種>

フランスには250種のブドウ品種があり、そのうちの23種がサヴォワで栽培されている。23種の中には、ほかの産地ではすでに消滅してしまいサヴォワにだけ残る絶滅危惧種もある。それはたとえば、白品種ではジャケールJacquère(サヴォワの栽培面積の50%を占める)、アルテッスAltesse(10%、クレマン・ド・サヴォワを造る)、グランジェGringet、モレットMollette など。赤ワイン用品種ではモンドゥーズMondeuse(12~15%)やペルサンPersan などである。

よく知られた品種では、ルーサンヌ、シャスラ、シャルドネ(以上、白品種)、ガメイ、ピノ・ノワールなどがある。ガメイは18 世紀からサヴォワでも栽培されているが、ピノ・ノワールは第二次大戦後に栽培されるようになったもので、ブドウ畑面積の2%を占めるに過ぎない。

また、サヴォワ地方にはブドウの苗木業者が多くフランスのブドウ樹育苗業第3 位に位置している。年間2500万本~3000万本の苗木を生産し、フランス国内はもとより外国へも輸出している。

 

<サヴォワワイン3AOP>

①ヴァン・ド・サヴォワVin de Savoie  白ワイン、ロゼワイン、赤ワイン。17の地理的名称を名乗れる。スパークリングワインとクレマン・ド・サヴォワ(2015年認可)を含む。認可栽培面積合計1,755ha。

②ルーセット・ド・サヴォワRoussette de Savoie  栽培面積244 ha

③セイセル Seyssel  栽培面積78 ha

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