- 2016-10-14
- Wines, イタリア Italy
ヴェローナとガルダ湖の中間にクストーザがある。
ミラノからヴェネツィアに向かって高速道路を走る。シルミオーネを過ぎてしばらく行くと右手の小高い丘にブドウ畑が広がる。クストーザの丘だ。
DOC クストーザは1971 年に認証されたが、ソアーヴェに隠れてながらく陽の目を見なかった。しかし近年、クストーザワインの品質が向上し徐々に内外の注目を集めるようになった。モンテ・デル・フラを輸入するフードライナーは、
「2015 年から輸入販売を始めた。クストーザとバルドリーノを中心に販売している。コスト・パフォーマンスがとても高いワインで料飲店のグラスワインにぴったりだ」と言う。
このほどモンテ・デル・フラのボノモ家からシルヴィア・ボノモが来日して家族とワインを紹介した。
モンテ・デル・フラの創業は1958 年、1haの桃の栽培から始まった。桃をブドウに植え替え、地元のレストランにワインを売るようになって徐々に栽培面積が広がった。現在は200ha、年産130 万本規模に膨らんでいる。
ソアーヴェやヴァルポリチェッラは火山性土壌が主体でミネラルが多く、引き締まった味わいのワインになる。ところがクストーザやバルドリーノはモレニコ(氷河の運んだ土石が堆積した土壌)で果実味が強くアロマが豊かで飲みやすいワインになる。
一押しは「カ・デル・マグロ」。これはDOC クストーザ・スーペリオーレで小売2,500円。ガルガーネガ、インクローチョ・マンゾーニ、トレッビアーノ・トスカーノ、コルテーゼ、シャルドネ、トレビアネッロのブレンドである。この中で興味深いのはマンゾーニ・ビアンコを使っていること。この品種は酸が強く熟成向きのワインになり、味わいに幅広い順応性がある。
「新しく畑を購入したら偶然にもインクローチョ・マンゾーニが植わっていた。初めはDOC ワインに使えなかったが、使用が認可されてからは積極的にブレンドするようにした」とシルヴィアはいう。
発酵にも熟成にも樽は使わない。マロラクティック発酵は半分だけ。ボトル熟成8 か月でリリースする。桃の香りがほんのりしてアロマティック、味わいに厚みがあって酸味にキレがある。(K.B.)
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