シャンパーニュ ダミアン・ウーゴ プロフェッショナル向けマスタークラス

WSET Diplomaの扇谷まどか氏が惚れ込み、2013年から輸入しているレコルタン・マニピュランのシャンパーニュ、ダミアン・ウーゴ。今回、造り手の来日に合わせて両氏による特別セミナーが行われた。

シャンパーニュとして適したブドウ

シャンパーニュ地方は平均気温11℃、ブドウ栽培としては北限の地となる。ここで求められるブドウは「シャンパーニュとして醸造に適した、成熟したブドウ」だ。ダミアンはpHと味覚検査の結果、今年はCIVC発表の収穫開始日よりも3日早い8月23日に始めた。(もちろんCIVCに変更の申請が必要)

シャンパーニュの規定として収穫時に143g/l以上の糖分がないと成熟したブドウとは見なされない。ダミアンの場合、黄金の比率があるそうだ。「糖濃度(g/l)を亜硫酸換算の総酸(g/l)で割って、20になるとき最もバランスの良いシャンパーニュを造ることができる。ただし、単に酸と糖のバランスだけではなくpHが重要だ」と語る。「数年前からシャンパーニュはフェノール類の成熟を話すようになっている。しかし成熟したブドウだから偉大ではなく、pHと酸と成熟度の3つが揃ったワインでなくてはいけない。今年は区画別とミレジムをつくる予定だが、ブドウの成熟度が高かったからこそpHを非常に気にした」。

2018年については「冬季は雨が多かったが4月や5月には乾燥した日が続き、夏の日照量は豊富で偉大な年だ。土壌に含まれる微生物を利用してブドウ栽培しているので、冬の雨は私にとってとても良かった。収穫が終わった10月にオーガニックの肥料=窒素を含んだものを撒いている。それが休眠期にゆっくりと分解され、土に窒素が吸収される。窒素はpHを下げることに関連する。草生栽培は多くの窒素が草に持っていかれブドウのpHが上がってしまうので私は行わない」。多くのシャンパーニュメゾンが喜ぶ2018年だが、ダミアンはこんな問題点も指摘する。「今年はブドウの表面に多くのタンパク質(プロテイン)が蓄えられた。これはプレス時に酸化を促してしまう。今年のような年は気をつけて圧搾をしないといけない」。圧搾率は63.8%、垂直圧搾機で空気と触れさせないように絞る。圧搾前の自然流下果汁50リットルはタイユに混ぜて他社に売っているそうだ。圧搾後の果汁を12〜16℃で8〜16時間置きブールブ(果汁内の固形物など濁りの元)を1〜4%取り除いて濁度は20〜50NTUのきれいな果汁だけをシャンパーニュ造りに使う。

つづく

フライト1:ヴァン・クレールによる比較

フライト2:ベースワインの違い

フライト3:ヴィンテージの違い

(Rie Matsuki)

つづきはWANDS 2018年11月号をご覧ください。
11月号は「シャンパーニュ&スパークリングワイン」特集です。
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