2018/2019 日本のワイン市場を読む 値上げと激甚災害の影響で 2018 年ワイン市場は4%縮小した

たいへんな在庫量が前年から繰り越された状態で2018年のワイン商戦がスタートした。2017年は世界各地のブドウ生産量が減少したので、2018年の出荷分から値上げすると生産者からインポーターに通告された。2017 年内に買えば安い。それでインポーターが一斉に買い込み、2017 年末の国内在庫が大きく膨らんだ。

 

2018 年の年初はみなが輸入量を抑え、在庫を捌くことに専念した。そして新しい商品の揃った4 月に小売価格が引き上げられた。2018 年上半期(1月~ 6月)のワイン輸入量は前年同期比98.3%だった。年末年始の事情から対前年同期比で輸入量が減少することは想定内だった。いずれ下半期になれば需要も平常に戻り、輸入量も増え、2018 年通年では「前年並」に落ち着くと考えていた。

 

しかし2018年下半期は、想定外の出来事が続いた。7月から9月までの気象は、豪雨、猛暑、台風、地震など激甚災害のオンパレードだった。流通網が寸断されて需要に対応できなくなった。さらに極端な暑さで人々はアルコール飲料を避け止渇飲料に向かった。

 

秋になってようやくワイン市場は落ち着きを取り戻したけれど、時すでに遅く、第3四半期(7月~9月)の大きな減少を埋めることはできなかった。こうして2018年のスティルワイン輸入量は前年比7.8%の減少になった。

 

このほど内閣府は、2019年1月の景気動向指数が前月比2.7ポイント低下したと発表した。そして、景気の基調判断を2018年12月までの「足踏みを示している」から「下方への局面変化を示している」に変更した。日本経済は好景気が長期にわたって継続していると言われてきたが、それでも人々の消費マインドが上向くことはなかった。むしろ2018年の消費マインドは明らかに下がっていた。

 

ワイン消費もここ数年続いた高原状態から減少に向かい始めている。2018年のアルコール消費の総量は前年とほぼ変わらなかったけれど、ワイン消費はビールなどとともに減少した。アルコール飲料のなかでは相対的に値段の高いワインは敬遠され、RTD、ハイボールなどの低価格酒が勢いよく売れている。

 

それでも日経平均株価は2万円台を維持しており、資産経済の分野でたっぷり潤っている人々がいるから、シャンパーニュなどの高額ワイン需要は依然として増えている。ワイン市場の二極化はいっそう進行しているといえる。

つづきはWANDS 2019年4月号をご覧ください。
4月号は「日本のワイン市場を読む、拡がるウイスキー市場」特集です。
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