キャンティ・クラシコらしいエレガンスを重視する「バディア・ア・コルティブオーノ」

<古き良きものの復活>

当主のエマニュエラ・ストゥッキ・プリネッティ

当主のエマニュエラ・ストゥッキ・プリネッティ

コルティブオーノは、長年有機栽培を行っていることでも知られている。畑の支柱は敷地内の森から伐採した栗の木を使ったり、醸造所から排出される葡萄の果皮、種、梗などは肥料にして使ったりと、すべてがこの農場内で完結できるような仕組みだ。

サンジョヴェーゼの苗木もそのひとつで、自社の畑の中で長年セレクション・マッサールを行ってきた。分析はしていないが、様々な性格の優れた苗木が選抜されてきた。

そして、サンジョヴェーゼの補助品種として栽培されてきた品種を、稀少品種も含めて、その可能性も探るプロジェクトが、2005年から始まっていた。今年で樹齢が10年になり、ようやくそれぞれの品種特性が分かり始めてきたところだという。

サンジョヴェーゼ、カナイオーロ、マンモロ、チリエジョーロ、コロリーノ、フォリアトンダ、マルヴァジア・ネーラ、プニテッロ、サンフォルテ。これら9品種を均等にブレンドした新しい銘柄「クルトゥス・9(ノーヴェ)」の2011年ヴィンテージが、来年リリースされる予定になっている。

聞きなれない品種名が多い。どういうスタイルなのか、出来上がりが楽しみでならない。

<2015年>

2015年の収穫は、キャンティ・クラシコのエリアも、ヨーロッパの他地域の例に漏れず、とてもよい結果となったようだ。

「夏が少し暑過ぎると感じたので、少し心配していた。しかし、9月に雨が降ってくれたから、ちょうどよい状況が生まれた。9月20日頃から収穫を始めて、10月上旬まで続いた」。色も成熟度、そして量的にも満足のいく収穫で、今後の成長に期待していると語った。

<試飲した銘柄>

キャンティ・クラシコ2012 サンジョヴェーゼ+カナイオーロ。フレッシュで上品で、黒い果実の香りが魅力的。細く長い繊細な味。

キャンティ・クラシコ・リゼルヴァ2009 サンジョヴェーゼ+カナイオーロ。より深みのある香りで、ほんのりスパイシーさも。厚みがあり、力強さも感じられるがエレガント。

クルトゥス・ボーニ2010 サンジョヴェーゼ+チリエジョーロ、コロリーノ、フォリアトンダ、マルヴァジア・ネーラ、プニテッロ、サンフォルテ。フレッシュで、スパイシーで複雑性のある香り。カッチリとした体形で、力がある。バランスよく後味は上品。

サンジョヴェート2011 古樹のサンジョヴェート。大樽で、温度管理を含めほとんど介入しない自然な醸造。以前は3週間マセレーションしていたが、今では6か月と長い。毎日チェックはするが、ほとんど何も手を加えない。果実とスパイスの香りが融合して、とても若々しい、奥行きのある複雑な香り。豊かな品のある果実味と、酸のバランスが絶妙で、タンニンはとてもしなやか。(Y. Nagoshi)

WANDSメルマガ登録

1

2

関連記事

ページ上部へ戻る