ボトルに金色のアルパカをあしらったワイン「サンタ・ヘレナ・アルパカ」が、輸入ワインで初めて100万ケース・ブランドになった。「アルパカ」はコスト・パフォーマンスに優れ、新鮮な果実味と覚えやすい“金のアルパカ”のアイコンで、2015年の年初からぐんぐん販売量を伸ばした。
これまでワインで年間100万ケースを販売したのは、輸入原料を日本でボトリングした製品(ビストロなど)があるだけで、外国産ワインでは「アルパカ」が初めて。また、かつてE&Jガロ社製品の販売量が100万ケースを超えたことはあったが、これはカルロ・ロッシやブーンズなど複数のワイン・ブランドを併せた数だった。
つまり、単一輸入ブランドの年間100万ケース超えは、「アルパカ」が初めて達成した偉業である。
「アルパカ」が力強くけん引したチリワインの総輸入量は、2015年の初めからフランスワインを追い抜き、10月までずっと第1位を占めてきた。しかし、11月のチリワイン輸入量は44万ケースで前年水準を大きく下回り、累計でフランスワインに抜き返された。土壇場に来て年間第1位が微妙な状況になっている。すでに12月の輸入量は各税関に計上されており、2月中旬の国税庁発表をじっと待つしかない。
ちなみに11月になって首位に復帰したフランスワインの輸入ペースが改善されているわけではない。前年同月比97.2%でボージョレ・ヌーヴォーの輸入量も前年を下回ったもようだ。つまり11月の首位交代は、フランスワインが盛り返したのではなく、チリワインが勝手にコケてしまったからである。焦点は12月のチリワイン輸入量が年間ペースを回復したか否か。これが今年2016年の輸入ワインの趨勢を占ううえで重要なポイントである。(K. B.)
<2015年1月~11月 ワイン輸入量トップ3>
フ ラ ン ス | 5,659,915 ケース | 96.9 % |
チ リ | 5,581,566 ケース | 118.6 % |
イ タ リ ア | 3,767,188 ケース | 104.0 % |
(画像提供:アサヒビール)
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