ランブルスコの改革者、クリスチャン・ベッレイの「カンティーナ・デッラ・ヴォルタ」

エミリア・ロマーニャ州の産物ランブルスコは、赤くて甘い発泡性のワインというイメージが強い。そこで革新を起こしたジュゼッペ・ベッレイの跡継ぎ、クリスチャンが始めたプロジェクト、ランブルスコの概念を変える「カンティーナ・デッラ・ヴォルタ」についてお伝えする。

 

<ランブルスコ・ディ・ソルバーラ>

1970年に、ジュゼッペ・ベッレイが初めて瓶内二次発酵によるランブルスコを造り、ひとつの大きな革新となった。その時に選んだのが、ランブルスコ・ディ・ソルバーラ。100種類もあるといわれる、ランブルスコの亜種のひとつである。

それまでは、ランブルスコはアンチェストラーレ法により一次醗酵の続きを瓶内で行い辛口仕上げの微発泡ワインであった。ところが、アメリカ市場の甘口嗜好に焦点を定め、ランブルスコはシャルマー法により残糖分を残した赤い甘口微発泡ワインに姿を変えた。

相当安価で大量に販売されるようになった。名前とイメージも確立した。ところが、この流れに危惧したジュゼッペが、伝統的な辛口へ戻すというだけでなく、最も高貴な亜種を選択し、高品質を目指し、瓶内二次発酵という新たな扉を開けることになった。

「ソルバーラは、疎着で小粒。本当に小さい粒で、うちではそれを更に選果してから使っている。反対にサラミーノという亜種は粒が密着していて、まるでサラミのようだからこう名付けられた」と、クリスチャン。

ソルバーラは、酸が高く色がきれいで、スパークリングワインに適し、長期熟成の潜在能力も備えている。一方サラミーノは、色が濃くタンニンも強いが、酸が少なく長熟はできない。ジュゼッペは、はじめから瓶内二次発酵を念頭に、ソルバーラを選択したのだ。

ソルバーラは、特に砂質土壌で最も優れた葡萄ができる。エミリア・ロマーニャ北部にあるソルバーラの産地にはセキア川がある。セキア川は氾濫することが多く、その周辺には砂が多く堆積している。

試飲したアイテムで、香りの華やかさで目を丸くした「トレンタセイ」は、川のすぐ側にある古い畑の葡萄だけから造っているという。本当にここは、特別な区画なのだと感じ取れた。ちなみに、ソルバーラは受粉しにくい性質のため、わざわざサルミーノ種を受粉目的だけのために交互に植えているという。

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