- 2016-1-15
- Wines, ニュージーランド New Zealand
ニュージーランドは、まだ若いワイン産地で世界のワイン総生産量のうち1%以下で、世界第13位につけている。しかし、一世を風靡したソーヴィニヨン・ブランに続いて、ピノ・ノワールの質の高さでも注目を浴びている。ニュージーランド・ワイン・グロワーズの招聘で、ボブ・キャンベルMWが来日し、興味深いレクチャーを行った。
ピノ・ノワールについては、栽培面積の70%は樹齢12年以下と若い。また、自由度が高く、若い造り手たちが多く勢いがあるため、今後益々期待できそうだ。
<ニュージーランドの概要>
ニュージーランドで近代ワイン造りが始まったのは、1970年代から。それまでは、ソーヴィニヨン・ブランで知られるマールボロも、羊が草を食むのどかな牧草地だったのだ。牧場や風通しのよい海岸風景など、美しい風景を容易に思い浮かべられるほど、ニュージーランドは自然に恵まれているイメージがある。驚くことに、国の電力の70%が既に再生可能エネルギーによるという。
葡萄畑の94%以上がサステイナブルプログラムを実践し、2020年までに有機栽培を20%に、という目標を掲げている。
気候は、海に囲まれているためほぼ海洋性気候だが、南島の南端のみ内陸性気候となる。南緯36〜46度で南には南極がひかえているため、冷涼な気候にある。これが多くの醸造家を魅了している。
2014年現在で、合計700のワイナリーがあり、その90%が海外へ輸出している。
「地域別ピノ・ノワール」
<ピノ・ノワール>
ピノ・ノワールの生産量は、全体の8.2%を占め、マールボロで最も多い。次がセントラル・オタゴで、ホークスベイやギズボーン、オークランドなど北島産は、スパークリングワインにも使用されている。
ニュージーランドの特徴はといえば、凝縮した果実味があり、若くても味わいがあるが熟成も可能だ、ということ。シルクのようなテクスチャーで力もある。
プレミアム品の秘訣はいくつも挙げられるが、そのひとつは収穫量のコントロールだろう。ディジョン・クローンも多く、70年代に持ち込まれたエイベル・クローンも、ニュージーランドの武器のひとつだ。
また、低温浸漬によって、香りが長く残る。多くは除梗しての発酵だが、トレンドもあり全房醗酵も少し増え、タンニンが加わりストラクチャーが強くなるという利点がある。
(Y. Nagoshi)
つづく/これ以降の内容
<地域別特徴>セントラル・オタゴ/ワイタキ・ヴァレー/カンタベリー&ワイパラ・ヴァレー/ワイララパ&マーティンボロー/マールボロ/ 「一風変わった白ワイン」
につきましては、「ウォンズ」本誌「1月号」P.36〜37をご覧下さい。WANDS本誌の購入&購読はこちらから
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