ドイツワイン基金が「Wines of Germany」日本事務所を再開

ドイツワインインスティテュート(DWI)が年初から日本事務所をリオープンした。正式名称は、現在活動を展開している世界14 か国における出先機関の名称と同じく「Wines of Germany」日本事務所。事務所業務を請け負うのはSOPEXA Japon で、同事務所内にオフィスを構える。日本事務所代表はこれまでドイツのソペクサに14 年間勤務し、現在はSOPEXA Japon で顧客サービス・ディレクターを務めているロイック・ブリュノ氏。さらに、日本のワイン業界での豊富な経験をもつ松村由美子さんがアドバイザリースタッフとして参画し、主に業界内のキーパーソン、インポーター、流通業者とのコミュニケーション活動を担当する。
2009 年にドイツワイン基金駐日代表部が閉鎖されて久しいが、今回、日本事務所の再開にこぎ着けることができたのはドイツにおけるDWI 内の賦課金問題が決着し、安定的にバジェットが組めるようになったため。また、日本では永年にわたりドイツワインの減退傾向が続いているが、ドイツワインの輸出先としては現在も輸出金額で第7 位(2013年)に位置する重要市場であることが背景にあると思われる。また、今回の業務委託にあたり、国際的なコンペティションを通して最終的にSOPEXA Japon に白羽の矢が当たったのは、2012 年以降、食品・飲料・ライフスタイル専門の独立した販促企業として機能し、世界的なネットワークをもつ組織であることが評価されたものとみられる。

 

「ドイツのワイン産業は過去10 〜 15 年の間に大きく変わりました。2000 年代当初は危機的状況を迎えていましたが、その後、若手の生産家がどんどん擡頭し、ワインのラベルをはじめとしてドイツワインのイメージは大きく変貌しています。日本では残念ながら未だに50 歳代以降の人々を中心に、ドイツワインは甘いワインというイメージをもたれていますが、ドイツの実際の生産現場ではすでに辛口ワインが主流です。一方、日本の若い人々はドイツワインに接し飲む機会も少ない。ほとんどドイツワインのことを知らないといった状況です。私たちのミッションはこういう状況を打ち破ることにあります。新しい製品をどんどん紹介して市場を切り拓いていくこと、特に若い消費者層を中心に新生ドイツワインのイメージをしっかりと定着させることにあります」と、ブリュノ氏は力説する。

新しい日本事務所が企画しているプロモーション活動は次のとおり。
1)2月8日、キックオフとしてトレード向けのミーティングを開催。DWIのモニカ・ルーレ代表とアジア日本担当のマニュエラ・リープフェンさんが来日し、DWIの方針を説明。夜にはプレス・ディナーを開催。
2)FOODEXに出展し、トレードとジャーナリストを対象としたセミナーを開催。
3)ワイン&グルメ展への参加。輸入業者および輸出業者の独自参加を募集。
4)6月、今年10周年を迎える35歳以下の若手生産家の組織“Generation Riesling”の記念イベントに合わせたジャーナリスト招待旅行。

5)5月、JSAとの協賛によるセミナー試飲会の開催。ドイツにおける3人のMWのいずれかを招聘し、今日のドイツ産業の現況を説明。
6)7月にトレード向け試飲会を開催。かつては“Riesling & Co.”と呼ばれていた試飲会ながら、新しい製品の紹介に重点を置く。

7)レストラン市場においてドイツワインを積極的に販売してくれるアンバサダーのような存在の組織化。
8)オーガニック飲料&食品を対象としたイベントへの協賛。
9)FacebookやTwitterなどオンライン、ソーシャルメディアを活用した、ドイツワイン愛好家のサークルづくり。当面、5万人以上のフォロワーを目指す。(M. Yoshino)
画像:Wines of Germanyの日本事務所代表 ロイック・ブリュノ氏

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