「シャトー・ド・サントネイ」が起源に因んだ「フィリップ・ル・アルディ」に改名

コート・ドールとコート・シャロネーズに98haもの広大なブドウ畑を所有する、ブルゴーニュで最も大きなドメーヌのひとつ「シャトー・ド・サントネイ」が2021年7月1日より ”Domaine du Château Philippe Le Hardi” と名称を変更した。

このシャトーとドメーヌが、ブルゴーニュ公国の初代公王であったフィリップ・ル・アルディの邸宅と所有畑であったという起源に立ち返っての改名だ。フィリップ・ル・アルディ公は、1395年にブルゴーニュワインの品質に関する初の条例を発行したことでも知られている。ガメイを引き抜き、ピノ・ノワールを植えるよう奨励したのだ。

 

「フィリップ・ル・アルディ」の2019年ヴィンテージがいくつか到着している。2019年は、結実不良などにより収穫量が減少したが、その分凝縮し果実感も酸も高く偉大な年のひとつとされている。

Bourgogne Chardonnay Vieilles Vignes 2019

2019年という、暑くてドライだったが十分な酸が保たれたヴィンテージをそのまま表現している。華やかな香りは甘く熟した果実がメインで、桃やパイナップルなど少しトロピカルよりで、ほんのりとしたバニラ香が融合している。とてもなめらかな食感で、丸みさえ感じられ酸はフレッシュ。今でもすぐに楽しめる。

 

Mercurey L’Or des Ducs Blanc 2019

ブルゴーニュの生産者の中でフィリップ・ル・アルディが最も多くの区画をメルキュレに所有している。そして土壌を分析した結果、いくつかシャルドネに植え替えた。一般的にはメルキュレの栽培面積の15%のみシャルドネだが、フィリップ・ル・アルディの場合は25%だと言う。このキュヴェは、”Les Montelons Blancs” と”Le Roc Blanc“の2区画をブレンドしたもの。”L’Or des Ducs” とは直訳すれば公爵家の黄金となるが、公爵家がブルゴーニュのブドウ栽培において戦略的であるとともに基本的な役割を果たしたことを讃えての命名。2019年ヴィンテージからの新名称だ。

こちらはブルゴーニュ・シャルドネより少し抑制された上品な香り。熟した白い果実や柑橘類がとてもフレッシュ。味わいも上品で、充実した果実味とミネラル、酸の一体感がある。今でも美味しく飲めるけれど少し置いても良い印象。ブルゴーニュ・シャルドネと同じ価格(3,200円+tax)なので、まろやかなタイプが好みならブルゴーニュ・シャルドネを、よりタイトなタイプが好みならメルキュレをおすすめしたい。

 

Saint-Aubin En Vesveau Blanc 2019

このアン・ヴェスヴォーはモンラッシェと同じ地層にあるクリマで、石灰質が豊か。フィリップ・ル・アルディは4.11haを所有している。

香りはやや閉じ気味で開くまで少し待ちたいが、熟した果実とほのかなバニラ、そしてミネラル感を予想させるような魅惑的で一体感がある。なめらかなテクスチャーで、ミドルパレットも充実し、果実も酸もミネラルもたっぷり。こちらは5,400円+tax

 

Bourgogne Pinot Noir Vieilles Vignes 2019

ほどよい抑制感のある、赤いベリーとほのかなスパイス香が上品に香る。充実した果実味とフレッシュな酸、細やかなタンニンのバランスが素晴らしく、やはり2019年ヴィンテージを綺麗に反映している。満足度が高く、且つ今からでも楽しめる。3,200円+tax

 

Mercurey Cuvée 1395 Rouge 2019

こちらのメルキュレも新たな名前で登場した。フィリップ・ル・アルディ公が条例を発行した1395年に因んだ名称だ。このキュヴェのブドウは”Les Montelons Rouges”と“Les Vaux”の2区画をブレンドしている。

ブルゴーニュ・ピノ・ノワールより深みが加わり、凝縮した香りで、若干閉じ気味な印象。それでも果実の熟度の充実感とスパイスやなめし革、香ばしさなどが融合している。味わいも上品でありながら厚みもあり、ストラクチャーもしっかりしているので、今でも美味しいけれど数年置くとさらに発展しそう。3,800円+tax

 

Pommard 2016

ポマールは日本初入荷。

エレガントな2016年ヴィンテージらしい上品な香りと味わい。しなやかなアタックで口中の前半は繊細ながら、後半から勢いを増して骨格がしっかりしている。ちなみに2019年も入荷しているようなので、グッと凝縮したタイプがお好みならエレガントな2016年よりも2019年をおすすめ。8,800円+tax

 

最近、ブルゴーニュワインの価格が高騰している。今年も雹や洪水などのニュースが入り、生産者や収穫量が心配になるが同時に価格も気になってしまう。そんな中でシャトー・ド・サントネイ時代からそれほど価格に変化のないフィリップ・ル・アルディの存在は大変貴重に思える。

(photos by Tadayuki Yanagi) (text by Y. Nagoshi)

輸入元:ラック・コーポレーション

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