辰巳琢郎氏プロデュース 岩手県の山葡萄を使ったロゼスパークリングワイン「今様」2019年

「日本のワインを愛する会」会長の辰巳琢郎氏が、岩手県の山葡萄と山梨県の甲州をブレンドしたロゼスパークリングワインをプロデュースしている。生産は、「酵母の泡」シリーズでも知られるマンズワイン。きっかけとなったのは東日本大震災だったと言う。

 

「流行りもの」、「トレンド」という意味の「今様(いまよう)」最新ヴィンテージ2019年が、この夏リリースされた。「今様」の初ヴィンテージは2011年で、辰巳氏が震災後に何か応援できないだろうか、と考えたことから始まった。岩手県は、山葡萄の生産量日本一を誇っている県であるため、これを使ってワインを造ることを考えた。しかし、「山葡萄は力があって、酸も強い。栄養価満点で地元の人にとっては健康飲料として親しまれています。ただ、そのままだと濃すぎると感じる人も多いかもしれない」と感じたため、甲州とのブレンドがちょうど良いと判断したそうだ。確かに、普通の黒ブドウよりもポリフェノールが何倍も多い、との記述もある。

そこで、岩手県の九戸の山葡萄を20〜30%と山梨県の甲州をブレンドすることになった(2019年は約25%)。2011年から始まるが、2017年は造れなかったので2019年は8番目のヴィンテージとなる。どの年もシャルマ法による点は同じだが、最初の3年間はマロラクティックを行い、4年目からはリンゴ酸系のキリッとした味わいを残したくてマロラクティックは行なっていないとのこと。仕上げも、2019年はドザージュなしで極辛口のブリュット・ナチュールだが、2018年はやや辛口のセック、2016年は辛口のエクストラ・ブリュット、2015年はブリュットと、毎年マイナーチェンジしている。

「山葡萄そのものも、限りなく野生に近く毎年キャラクターが異なります。本来、気候風土によって出来が違うのがワインではないかと思うから」と、辰巳氏。複数年揃えて、日本の自然の移り変わりを楽しむのも一興だ。(Y. Nagoshi)

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