「ウスケボーイズ」を映画化した柿崎ゆうじ監督が、今回は脚本から手がけた日本ワイン映画「シグナチャー」が猛暑の8月4日に甲信地方にてクランクインした。全国公開予定は2022年。
今回の主人公のモデルは、安蔵光弘氏。シャトー・メルシャンのGMであり、山梨県ワイン酒造組合会長も務める人物だ。「ウスケボーイズ」でも夫妻で登場した麻井宇介(浅井昭吾)氏の愛弟子。
安蔵氏役を演じるのは平山浩行氏。安蔵正子氏役は、「ウスケボーイズ」と同じ竹島由夏氏。監督、主演・共演の二人、そして安蔵氏の4名が、シャトー・メルシャン勝沼ワイナリーにて開催された製作発表会でそれぞれの思いを語った。
実在する安蔵光弘役が決まったことを聞いた平山氏「主演のお話をいただいた時、率直に嬉しかったです。実在されている方を演じることは難しいこともあるのですが、演じるのが楽しみでしたし、監督の前作品『ウスケボーイズ』も観ていましたので、柿崎監督の世界に参加できることが嬉しかったです」。
安蔵光弘の妻・安蔵正子役を演じる共演の竹島氏「『ウスケボーイズ』に出演した時も安蔵さんの奥様である正子さんを演じさせていただきましたが、今回も同じ役を演じることができました。それが素直に嬉しかったです。4年前の『ウスケボーイズ』撮影で安蔵正子さんとご縁ができ、プライベートでもお付き合いさせていただいております。今回脚本を読んで、ご夫妻の絆の深さを改めて感じましたので、私がそこを演じるのだと思うと責任が生じてきました。二人の強い絆を多くの人に知っていただき、日本ワイン造りにこれだけの努力を重ねた方がいるのだと伝えていきたいです」
今作で脚本も手がけオリジナル作品に挑戦している柿崎監督「『ウスケボーイズ』で安蔵光弘さんとご縁をいただいてから、4年間にわたっていろんなお付き合いをさせていただいております。麻井宇介さんと安蔵光弘さんとの関係を聞くたびに、二人のことを中心にした物語を作りたいと思うようになりました。いま日本ワインブームがきておりますが、明治時代からいまに至るまで大勢の努力がいまの日本ワインを造っているのだなあとヒシヒシと感じております。日本ワインを造られている方々の努力を脚本にして、日本ワインの素晴らしさを世界に発信していき、造り手の想いを作品として作りあげたいと決意し撮影しております」
そして自身の半生が映画化された安蔵氏。「会社での生活が中心ですが、会社に入ってから現在に至るまでのお話になっています。メルシャンに入社して6〜7年目まで麻井宇介さんとの交流がありましたが、思い返しても麻井さんは素晴らしい人だったと思います。自分の人生というか半生が取り上げられるというよりも、日本ワインをつくる若い人たちに麻井さんとの交流をご紹介したいという気持ちでいっぱいです」。
続けて平山の印象を聞かれた安蔵氏は、「撮影の合間などにいろいろお話をさせていただき、あたたかみのある方だなあと。当時のことも、ワインの作業のことも聞いてくださるので、お話していてすごく楽しいです。そしてカッコイイ方だなあと思います。『安蔵さんよりかっこいいじゃない!』と今後言われそうです(笑)」と会場の笑いを誘った。
最後に皆様からメッセージをいただき、安蔵氏は、「山梨県のワイナリーの話ですので、山梨の方に是非観て欲しいです。そしてこれから日本ワインに興味をもってくださるかもしれない方に飲んでいただき、応援いただけたらと思いますし、日本ワインの造り手の皆様に観ていただきたいです」と語った。
監督は「『ウスケボーイズ』以来、山梨にくる機会も多く、ワインと触れ合う機会も多いです。家も山梨にありますので、今回撮影で滞在することになり、田舎に帰ってきたような子供の時の夏休みを過ごしているような気持ちがしています。ワインもキャストもこだわりながら撮っていますので、奥深い想いをスクリーンにおさめていきたいです。」と熱い想いを語った。
竹島氏は、「クランクインした8月4日は山梨が日本で一番暑い日でした。富士山もみえて、日本一のぶどうの産地で撮影できていることが、暑さよりも心を熱くする瞬間でした。平山さんとは初共演なのですが、お芝居に関する話し合いも気兼ねなくでき、相談しあって夫婦の関係を築きあげています。日本ワインを知らない方々が、日本だけでなく世界にもたくさんいると思います。その方々に作品を通じて、“日本ワインを造っている方の想いがつまったワイン”を知ってもらえたらと思います」と、平山氏と息ぴったりに夫婦を演じられていることなどを語った。
そして平山氏は、「全世界の人々に観ていただきたいです!若い方にも興味をもっていただいて、日本ワインの美味しさを味わってもらうことができたらなあと思います」と締めくくった。
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