ラシーヌ Racines/ブルゴーニュとシャンパーニュの巨匠がサンタ・リタ・ヒルズで新展開

ブルゴーニュの大御所、ドメーヌ・ド・モンティーユのエティエンヌ・ド・モンティーユ氏が、2017年、カリフォルニアはサンタ・バーバラ・カウンティのサンタ・リタ・ヒルズに進出。 シャンパーニュ・ピエール・ペテルスのロドルフ・ペテルス氏も巻き込む大プロジェクトが進行中だ。

取材・文 柳忠之

日本の北海道でもワイン造りを始め、大きな話題を集めているフランス・ブルゴーニュ地方の名門、「ドメーヌ・ド・モンティーユ」。20世紀後半にドメーヌを率いたユベール翁はすでにこの世を去り、現在、ドメーヌを仕切るのは長男のエティエンヌ・ド・モンティーユ氏。オーガニック、バイオダイナミック農法への移行、ドメーヌ・デュジャックと共同でトマ・モワラールを買収、それまで支配人を務めていたシャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェの吸収合併など、辣腕を発揮している。その彼が、北アメリカにおけるワイン造りの拠点と定めたのが、カリフォルニアのセントラル・コースト、サンタ・バーバラ・カウンティのサンタ・リタ・ヒルズである。

2016年、彼の右腕でアメリカ出身のブライアン・シーヴ氏とともに、1か月間に亘るカリフォルニア、オレゴンの旅を決行したド・モンティーユ氏。その際に寄ったサンタ・バーバラのタイラー・ワイナリーが造るワインに感銘を受け、オーナー醸造家のジャスティン・ウィレット氏と意気投合。共同でこのエリア最高のピノ・ノワールとシャルドネを生み出すことに合意したと言う。

思えばほんの30年前まで、「ピノ・ノワールは旅のできない品種」と言い放ち、カリフォルニアのピノ・ノワールをあからさまに見下していたブルゴーニュの造り手たち。しかし、今ではサンタ・リタ・ヒルズのように、ピノ・ノワールに向いた冷涼なエリアにブドウ畑が広がり、ブルゴーニュの大御所も無視できない存在となっている。それはまさに、ボルドーのシャトー・ムートン・ロッチルドがナパ・ヴァレーの潜在性に目を着けた、50年前の出来事を彷彿とさせる。

しっかりとした酸を持ち、テンションの感じられる「シャルドネサンタ・リタ・ヒルズ・キュヴェ2018」と色調は淡めだが出汁のようなうま味が乗った「ピノ・ノワールサンタ・リタ・ヒルズ・キュヴェ2018」。

肉感的でオーク由来のナッティなニュアンスが香ばしい「シャルドネサンフォード&ベネディクト・ヴィンヤード2018」とフレーヴァーが重層的で凝縮感に富む「ピノ・ノワールサンフォード&ベネディクト・ヴィンヤード2018」。

ブランド名はフランス語で「根」を意味する「ラシーヌ」。ここに紹介する4本のほか、「ベンロック・ヴィンヤード」とオーガニックの自社畑「ウェンズラウ・ファミリー・ヴィンヤード」のシャルドネ、サンフォード&ベネディクト・ヴィンヤードに隣接する「ラ・リンコナーダ・ヴィンヤード」のピノ・ノワールをラインナップ。白は「エネルギー」「透明感」「精密性」を、赤は「エレガンス」「爽快感」「スパイシーさ」を追求する。

そしてプロジェクトの立ち上げから1年後の2017年、もうひとりの仲間が加わった。RMシャンパーニュの大御所、「ピエール・ペテルス」のロドルフ・ペテルス氏である。彼が手がけた伝統的製法のスパークリングワインが今年の秋、日本でもリリースされる予定だ。今、冷涼なサンタ・リタ・ヒルズが猛烈に熱い。

左からブライアン・シーヴ氏、エティエンヌ・ド・モンティーユ氏、ロドルフ・ペテルス氏。

 

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WINE TO STYLE
☎ 03-5413-8831
https://www.winetostyle.co.jp

 

続きは、WANDS 7-8月号
【特集】カリフォルニア ローダイ/新トレンド 多様な世界のスピリッツ/アルゼンチンワインの”今”を探る
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