表参道で開催中「Beボルドー」/ボルドーをもっと身近に

今、ボルドーワイン委員会(CIVB)が主催する期間限定のポップアップワインバー「Beボルドー」が、東京・表参道の「エコファームカフェ632」で開催中だ。10月22日(土)からスタートし、今週の30日(日)まで開かれる。日替わりのボルドーワインや各国のストリートフードを再現したスナック、日本未輸入ワインの紹介&人気投票、VRヘッドセットでボルドー現地へのバーチャルトリップ体験など、盛りだくさんのイベントだ。

オープン前日となる21日、業界関係者向けのキックオフミーティングが開かれた。CIVB日本市場統括マーケティングマネージャーのキャロリン・ヴィニュロン氏とジャパン・カントリーマネージャーの大塚麗子氏が登壇し、ボルドーワインの最新の市場動向を伝えた。

CIVB日本市場統括マーケティングマネージャーのキャロリン・ヴィニュロン氏(左)とジャパン・カントリーマネージャーの大塚麗子氏。

●気候変動と環境保全対策

フランス国内および世界各国で高い需要のあるボルドーワイン。2021年の売上はコロナ禍からの回復を見せ好調で、全体で5億5,900万本の販売量と40億ユーロの売上を記録している。うち45%を輸出が占め、販売量は前年比+9%の2億5,200万本、販売額は前年比+30%の23億ユーロを記録した。2022年については、春の霜や夏の猛暑で収穫量が減ったものの「日照時間が多く降水量の少ない年となった。ブドウの成熟が進み、果粒の大きさは例年より15〜30%ほど小さく高品質である。夜も暖かったため非常にアロマティックでフルーティーなのが特徴」と、ヴィニュロン氏。昨今は世界的に気候変動がブドウ栽培に大きな影響をもたらしているが「これからも続くだろう。ヴィンテージごとの特徴がはっきり表れるようになっている。このため、年ごとで造り方を変えて、ブドウに合わせていく現象が起きている」と報告した。

環境保全対策についてはボルドーでは20年前から本格的に取り組まれており、栽培面積の75%以上が何らかの環境に関わる認証(HVEやテラ・ヴィティスなど)を取得している。さらに2020〜2021年にかけて、オーガニック認証を取得または転換中の畑が43%増加した。サンテミリオンでは2023年からAOCワインに環境保全型農業対策を採用するなど、組織的な対策を実施している。こうした様々な取り組みにより、2007年から2019年にかけて温室効果ガスの排出量を24%削減できたと言う。

●1,000〜4,000円の価格帯でカジュアルに楽しむ

「MyBordeaux Selection」試飲コーナー。

ワインのスタイルについては「規範を壊していくことを恐れない若手が活躍し、ボルドーに変化をもたらしている。彼らは同世代の消費者の好みをわかっており、昔よりもタンニンが強すぎず、フルーティーで軽やかなワインが生まれている」と、ヴィニュロン氏。関連して、日本市場のストラテジーについて大塚氏が次のように述べた。「ボルドーワインはカジュアルな食事にも、リラックスタイムにも合わせられる。とくに赤はライト&フルーティーなモダンレッドの味わいを紹介し、1,000〜4,000円までの価格帯で、25-45歳をメインターゲット層にしていきたい」。

実際に本イベントでも提供されている「MyBordeaux Selection」は、この1,000〜4,000円の価格帯で、12名の専門家たちによって選ばれた50本のシリーズだ。フレッシュで飲みやすいクレマン・ド・ボルドーをはじめ、ロゼ、白、赤を用意し、価格&味わいともに、初心者でも気軽にボルドーを楽しめるラインナップとなっている。

1階のスナック&ワイン ペアリングコーナー。

さらにエスニックや和食を含めた各国料理との幅広いペアリングを紹介するため、キックオフミーティングでは、「海老と白身魚のハーカオ風蒸し春巻き&ロゼ/クレレ」「ラムグリルとターキッシュライス&重厚な赤」など、7種のスナックとボルドーワインとのフードペアリングが供された。

同日は上の「MyBordeaux Selection」に加え、メドック、コート・ド・ボルドー、クレマン、辛口白より78本の日本未輸入ワインの試飲会も開催された。いずれも日本での希望小売価格は4,000円未満となるものばかりで、中にはボルドーではまだ珍しい、軽やかな味わいにモダンなラベルデザインで人目を引くものも。こうしたコストパフォーマンスに優れた面、生産者たちの新たなスタイルと多様性、多様な食事との合わせやすさを発信し、とくに若い世代の消費者に向けて、従来のボルドーのイメージ刷新を図る。

「Beボルドー」のイラストを手がけたのは人気イラストレーターの金安亮氏で、会場はポップで賑やかな世界観に包まれている。週末までの本イベントは入場無料。一杯から気軽にボルドーワインを楽しみに、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

【「Beボルドー」ワインバー 開催概要】
名称     : 「Beボルドー」ワインバー 思いがけない発見が、ここに。 DRINK, LEARN & ENJOY!
日時     : 2022年10月22日(土) – 30日(日) 11:00 – 21:00
会場     : エコファームカフェ632 (東京都渋谷区神宮前6 – 32 – 10)
内容     : ボルドーワイン・スナックの提供、日本未輸入ワインテイスティング、SNSフォトキャンペーン、ワークショップ、バーチャルリアリティ(VR)体験 など
入場料 : 無料(店内でワインやスナックのチケット購入有り)
URL    : https://bebordeaux.jp/winebar

(N. Miyata)

 

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