産地徹底取材 南アフリカ前編 繁栄のサステナビリティ

民主化以降、南アフリカのワイン産業は、この国の繁栄を祈願しながら興隆した。 次世代に残すべき畑と環境を守り、人道支援によって将来の担い手を育てる。 自然と人の二軸から、サステナブルなワイン造りが行われている。

取材・文:宮田渚 協力:南アフリカワイン協会 (Wines of South Africa)

2022年10月5日から3日間、南アフリカのケープタウンで、ワインの見本市「ケープ・ワイン2022」が、じつに4年ぶりに開催された。417の生産者が出展し、世界60か国から約2,000名のバイヤーやジャーナリストが参加。見本市前後の数日間は各地を巡るツアーも組まれ、南アフリカの大自然を肌で感じ、最新のワイン事情を知る機会となった。

ワイン産業の概要
南アフリカの総人口はおよそ6,000万人。ワイン産業(農業や包装業など関連事業を含む)に関わる就労者は約30万人で、人口の0.5%に当たる。この国には9つの州があるが、ワイン産業は西ケープ州に集中している。州を覆うようにしてL字型に800km、9万haのブドウ畑が広がる。栽培される品種は、白ブドウ品種が黒ブドウ品種の割合をやや上回る。最多はシュナン・ブランで、栽培面積は2021年時点で全体の18.6%、16,827haに及ぶ。次に多いのはソーヴィニヨン・ブラン(10.9%、9,878ha)だ。そしてカベルネ・ソーヴィニヨン(10.8%、9,811ha)、シラーズ(10%、9,011ha)、固有品種のピノタージュ(7%、6,570ha)、シャルドネ(7%、6,549ha)と続いている(以下、本誌に掲載)。

続きは、WANDS 1&2月号
【特集】WANDS BUYER’S GUIDEを振り返る 特別企画バローロ
【特集】イタリアワイン
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