ティエノ Thiénot/クルチエ時代の知見を最大限に生かした妥協なきエレガンスの追究

創業者のアラン・ティエノは、シャンパーニュ地方で公証人を営む一家に生まれた。しかし、家業を継ぐのを拒み1968年から小さな事務所を構えて栽培家とメゾンを繋ぐクルチエを開業した。徐々に規模が大きくなり、扱う量も増えた。どの村のどの区画から優れた葡萄が生まれるのか、すべてを把握するようになった。

 

<ブランドの立ち上げ>

1976年に、自ら5haの区画をアイに購入することになった。それを皮切りに、畑を少しずつ買い足した。1981年にはボルドーでシャトー・リコーを購入し、シャンパーニュでは醸造設備も準備した。そして、1985年にはクルチエの会社は伴に携わっていた従兄弟に譲り渡し、独立した。

とはいえ、「ティエノ」の初ヴィンテージは1989年だ。しばらくは、自社畑と契約畑の葡萄でワインを造りネゴシアンに販売しながら、自社ブランドのアイデアを練っていたようだ。既に多くのグラン・メゾン、小さなレコルタン・マニピュランがひしめき合うシャンパーニュでは、最も後発のメゾンのひとつとなるため、こだわりをもって戦略を立てるべきだと感じたのだろう。

スタニスラス・ティエノ

スタニスラス・ティエノ

販売先は初めから飲食店にフォーカスすると決めていた。今でも、顧客の95%が名立たる飲食店で、残りは専門店だ。「うちはまだ若いので、きちんと理解して販売してくれる人が必要だ」と、2003年から参画し、長男で次世代を継ぐスタニスラス・ティエノは言う。

ランスの中央にオフィスと自宅を兼ねた地下セラーのある館を購入していたが手狭になり、1992年からランス近郊でプルミエ・クリュの村、テシエに近代的なワイナリーを建て、醗酵はすべてここで行うようになった。(Y. Nagoshi)

つづき <妥協なき選択> <すべてはテイスティングで> <目利きが選ぶ畑> は、ウォンズ6月号(6月6日発行)をご覧下さい。ウォンズのご購入・ご購読はこちらから。

輸入元:BB&R

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