【特集】歴史が醸す、百年の古木 ドゥエロ川沿いのスペインワイン

ソリア県サン・エステバン・デ・ゴルマス村。 CRDO Ribera del Duero – © José I. Berdón

全長897km。イベリア半島を横断して、ポルトガル、大西洋のオポルトに注ぐドゥエロ川。 水量は半島最大の本流に、東西南北から支流が注ぐ。 スペインが全盛を極めた時代の名残がまだ色濃いカスティーリャ・イ・レオン地方。 「パンの土地、ワインの土地」と古くから言い伝えられてきた。 本特集はリベラ・デル・ドゥエロをはじめ、ルエダやトロなどドゥエロ流域のワインを語る。

取材・文 宮田 渚

 

 

WANDS テイスティング座談会
パンとワインの郷、ドゥエロ流域を“歩く”

ドゥエロ川の流域からこれまでどんなワインが生まれ、今はどんな方向へ向かっているか。
日本で輸入されているワイン32種を集め、専門家を招いて座談会を実施した(本誌P16〜21)

「河川が文明をつくってきた」というのには黄河やインダス川を引き合いに出すまでもない。 聞き飽きているはずである。だがドゥエロ川の今と昔をみると、この言葉が新鮮に聞こえる。 この川の水に育まれたブドウが、今、ワインとなって世界中の人々の口に届いている。 これを思うと、はっとさせられるのだ。 ジロンド川のボルドー然り、モーゼル川のリースリング然り、長大な川がそこに注ぐ支流を 飲み込んで流域に繁栄をもたらし、その結果が暮らしの中にも届いている。スペインには、

我輩はドゥエロ川である。川という川を飲み込んでいるが、アダハ川だけは我にアダを為す
Yo soy Duero, que todas las aguas bebo, menos del Adaja, que me ataja

という俗諺がある。そこで本特集とこの試飲座談会では、そのアダハ川をも含めて、 大樹ドゥエロとその支流に繁茂するブドウと、すでに日本にも届いている、 あるいは届くであろうワインを語ろう。おもな産地呼称を東から西へ8個挙げておく。

アルランサ Alranza、リベラ・デル・ドゥエロ Ribera del Duero、バルティエンダス Valtiendas、シガレス Cigales、ルエダ Rueda、トロ Toro、ティエラ・デル・ビノ・デ・サ モラ Tierra del Vino de Zamora、アリベス Arribes。

 

宮田 渚(以下、宮):この地域の最大産地 DO リベラ・デル・ドゥエロからいきましょう。産地からして“ドゥエロ流域” という呼称で、西から東へバリャドリッド、 ブルゴス、ソリアの3県にまたがります。 いずれも15世紀以来、スペインの首都であったり、経済の屋台骨羊毛産業と農業の中心であり、パンと羊肉を産出することでスペイン随一、羊は日本も輸入しています。ドゥエロ川流域は羊料理に見合ったワインの生産地として栄えました。

作元慎哉(以下、作):ドゥエロの若いヴィンテージをまとめて試飲するのは久しぶりですが、まずひと言、バランスが良いですね。(続きは本誌に掲載)

 


【お詫びと訂正】
本誌に誤り、記載漏れがありましたので、訂正いたします。

①P96「スペインワイン WANDS テイスティング座談会 協力会社リスト」内に、以下の会社の記載漏れがありました。
MHD モエ ヘネシー ディアジオ(株)
03-5217-9777
https://www.mhdkk.com/
※P19掲載「ボデガ・ヌマンシア」の輸入元

②P96同、以下の間違いがありました。
誤) (有)アレグレット
正) (株)アレグレット
※P19、P29掲載「ボデガス・マツ」の輸入元

関係者ならびに読者の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫びし、ここに訂正させていただきます。


続きは、WANDS 5-6月号
【特集】歴史が醸す、百年の古木 ドゥエロ川沿いのスペインワイン
【特集】追い風に乗る ビールの新たな挑戦
【特集】飲み方いろいろ ノンアル&ローアルの世界
【BUYER’S GUIDE】 マコネの白ワイン
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