- 2025-7-30
- イタリア Italy
- シチリア

シチリア島パレルモ近郊。海から18kmの距離でありながら、標高300〜1,000mの高地にブドウ畑を展開するドミーニ・メディテラネイ。2025年7月、オーナー家の醸造家、サルヴァトーレ・ベルテンポ氏が来日した。東京のテラットリア・エッフェでSOLOITALIAがプレス・ディナーを開催した。
2016年に始まった新進プロジェクトだが、ワイナリーの歴史は18世紀に遡る。地元の2つの家族が協力してワイン生産を開始。世代を超えて受け継がれてきた。近年まで地域の大規模生産者カラトラージの名で知られていたが、オーナーのアントニオ・ミッチケ氏の死後、2010年を境に大きな転換期を迎えた。
現在のワイン造りを担うのは、カラトラージの時代から畑に携わってきたジュゼッペ・ベルテンポ氏とその息子サルヴァトーレ氏。2016年に新プロジェクトとしてドミーニ・メディテラネイを立ち上げ、従来の大量生産路線から高品質志向へと舵を切った。7つの自社畑、計200haがありながら、現在の生産量は年間約5万本。品質維持を重視し、オーガニック認証も取得している。
1,000m級の高地にも畑を開いたというから驚きだ。「未来を見据えて、2022年にソーヴィニヨン・ブランを標高930mの畑に植えた」と、サルヴァトーレ氏は語る。先人の遺した畑やノウハウを継承しながら、10種以上の品種を栽培している。
ブランドは2つを展開。「コステンツァ・ディ・ミネオ」は創業の歴史を象徴し、18世紀に酒屋にワインを売り歩いた女性たちの肖像がデザインされている。「同 デディティオ・ロザート シチリア DOC 2024」はネロ・ダーヴォラ100%のロゼ。かんきつ、野イチゴ、塩味を伴うフレッシュな味に加えて、長い余韻が特徴。アルコール度数12.5%でありながら、食中酒として幅広い料理と組み合わせられる。
「同 サピエンティア・ロッソ シチリア DOC 2023」は標高350mのネロ・ダーヴォラと標高900mのシラーのブレンド。300ℓのトノーとステンレスタンクで6か月熟成。カシス、レッドベリーに、シラー由来のスパイスやハーブ香。酸が豊かで、後味に甘みもある。バルサミコや甘辛ソースの料理と相性が良い。
「マグヌス・シクルス」はシチリアの偉大さを表現する上級ライン。「同 ロッソ シチリア DOC 2020」はカベルネ・ソーヴィニヨン55%、シラー45%。畑は標高1,000m級と、シチリアでは最も高地で栽培される。標高は高いがブドウはよく成熟しているため、カベルネも青っぽさを感じない。ユーカリ、熟したブルーベリーやダークベリーの豊かな味わいが印象的だ。
※日本未輸入
(N. Miyata)

















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