
サンタ・リタ・エステートは、1880年にマイポ・ヴァレーで創業。チリ最大級のワインメーカーの一社で、所有する自社畑の総面積はチリ国内で約3,000ha、アルゼンチンで約1,000haに及ぶ。2025年11月4日、同社代表のバルタサール・サンチェス・グズマン氏、チーフ・ワインメーカーのセバスティアン・ラベー氏らが来日し、輸入元の日本酒類販売が顧客向けのメーカーズ・ディナーを開催した。主力の「メダヤ・レアル」と日本未輸入の新ブランド「フロレスタ」の2レンジから、7アイテムを紹介した。
「サンタ・リタは創業から145年間、ワインを造り続けている。1980年代にクラロ・グループが買収し、カベルネ・ソーヴィニヨンの1987年ヴィンテージが、他国のカベルネを制してパリのワインオリンピックで金メダルを獲得した。今でもカベルネは生産の要だ。私たちはリマリ、カサブランカ、レイダ、マイポなど、チリ全域に畑を持つ」と、グズマン代表は語る。

左から、セバスティアン・ラベー氏(「サンタ・リタ」のチーフ・ワインメーカー)、マリー=シャルロット・フレス氏(「カサ・レアル」コマーシャル・ディレクター)、バルタサール・サンチェス・グズマン代表、ジャン=ポール・マルティネス・メンデス氏(アジア輸出担当)
ディナー会場は東京・丸の内の「レゾナンス」。乾杯には、姉妹ワイナリーであるカルメンの瓶内二次発酵スパークリング「ブリュット・ナチュール」(未輸入)が供された。リマリ産シャルドネとレイダ産ピノ・ノワールのブレンドで、36か月の瓶内熟成。フルーティーなオレンジや桃に、ほのかにパティスリーが香る。アペリティフとして気軽に楽しめる味わいだ。
「メダヤ・レアル」からは「レセルバ シャルドネ 2022」「同 カベルネ・ソーヴィニヨン 2022」「グラン・レセルバ シャルドネ 2023」「同 カベルネ・ソーヴィニヨン 2021」の4種を提供。シャルドネはリマリ産のブドウを使用している。グラン・レセルバのシャルドネは20%をフレンチオーク樽、80%をステンレスタンクで発酵。「フレッシュさ、酸の美しさと、クリーミーなニュアンスがバランスをとり、柔らかい仕上がりになった」と、ラベー氏は言う。ボリューミーな味わいのフルボディで、ヒラメ、エビ、ホタテをチリペーストで和えたペルー料理「ペスカド・ア・ロ・マチョ」との組み合わせも楽しめた。一方、レセルバのシャルドネはエルダーフラワー、洋ナシなど白い花や果実の印象に、やや厚みのあるパレットで、こちらはセビーチェと合わせた。
ラベー氏によると、チリではレセルバやグラン・レセルバについて、例えばスペインのような厳格な規定がないため、サンタ・リタでは独自の基準を設けているという。「メダヤ・レアル」のグラン・レセルバには樹齢約30年の畑を使用し、レセルバには10〜15年の若い畑を充てる。収量も異なり、グラン・レセルバは低収量、レセルバはやや高めの収量を許容する。熟成期間も段階的に設定しているという。


「フロレスタ」(日本未輸入)は”自然の公園”をイメージして立ち上がった新興ブランド。「干渉をせずに造るという哲学を大切にしている」と、アジア輸出担当のジャン=ポール・マルティネス・メンデス氏。「フロレスタ」全体の特徴として、斜面の栄養に乏しい土壌で栽培され、粘土質が少ないため収量が自然と抑えられる。一方「メダヤ・レアル」は平地の粘土質土壌で栽培され、より深い土壌構造を持つため収量は比較的高めになるという。「フロレスタ ソーヴィニヨン・ブラン2023」はレイダ産で、15%セミヨンをブレンド。かんきつ系の香りが高く、爽快な酸が際立っている。「同 カベルネ・ソーヴィニヨン2023」は創業地のマイポのアルト・ハウェルの畑。テラス状の日当たりの良い斜面で、タンニンがよく熟すという。牛頬の赤ワイン煮込みと合わせて提供された。
ディナーの最後には、「メダヤ・レアル グラン・レセルバ カベルネ・ソーヴィニヨン 2021」が供された。凝縮感のある熟した赤い果実味と、しなやかなタンニンが印象的だ。
(N. Miyata)















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