ビール類で3.1%増計画のアサヒビール ラグビーW杯コラボや「マルエフ」拡充で加速

アサヒビールは1月6日、2023年の事業方針説明会を都内で開いた。

今年は10月の酒税改正第2弾でビール減税が予定されビール回帰の流れが加速。「ラグビーW杯2023フランス大会」(9月8日開幕)といったビールと親和性が高いイベント開催なども追い風に拡販を図り、ビール類計で2023年売上げ(金額)目標は前年比103.1%の6,119億円を目指す。

塩澤賢一社長は市場見通しを「ビールは2回目の減税でビール回帰への流れが加速する一方、新ジャンルは増税により発泡酒と税額が統一されるなどの影響もあり、ビール類の市場全体では3~4%減」と説明した。
そのなかで同社のビール事業は「スーパードライ」と「アサヒ生ビール」の2つのブランドに注力。昨年のフルリニューアル以降好調な「スーパードライ」は、「ラグビーW杯2023フランス大会」のオフィシャルビールとして専用デザイン缶やTVCM、イベントなどを通じて“気持ち高まる瞬間”を創出し、ブランド価値向上に取り組む。人気の「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」は、“「生ジョッキ缶」なら最高の一杯目が楽しめる”ことの訴求を強化し、ビールの楽しさやワクワクを提供する。
「スーパードライ」の2023年販売(数量)計画は前年比101.2%の6,970万ケース(大びん換算)。
松山一雄専務マーケティング本部長は「フルリニューアルの勢いそのままに2023年も拡大するビール市場をけん引する」と述べた。

「アサヒ生ビール」ブランドは「スーパードライ」に次ぐ第2の柱として取り組みを強化。2月14日から「アサヒ生ビール」(通称マルエフ)の500㎖中瓶と250㎖缶を通年で、「アサヒ生ビール黒生」の250㎖缶を数量限定で発売しラインナップを強化。「マルエフ」をグラス半分まで注ぎ、「黒生」をグラス一杯まで注ぐ「ハーフ&ハーフ」、「マルエフ」2対「黒生」1の割合で注ぐ“裏メニュー”「ワンサード」、先に注ぐのが「マルエフ」か「黒生」かで泡の色が変わるのを楽しむ「白泡/黒泡」などを紹介していく。
2023年販売計画は「マルエフ」で前年比112%の650万ケース、「黒生」は同72%の130万ケース。

業務用市場では「外食の際においしい樽生ビールが飲みたい」というニーズに応えるため、飲食店と協業し外食ならではの価値ある樽生ビールの品質向上に取り組む。「うまい!樽生ビール」を提供する飲食店の認定制度を活用し、2022年11月時点で2,900店ある認定店のさらなる拡大に取り組む。さらに「スーパードライ」の辛口を驚きのうまさで体験できる“氷点下のスーパードライ”「エクストラコールド」の提案も強化する。
またビールカテゴリーの新セグメント創造に向け、「アサヒ ホワイトビール」「アサヒ ヨルビール」や「ユルユルエ~ル」などのような情緒や世界観への共感を生む新価値提案を進める。

発泡酒・新ジャンルでは、塩澤社長はこれまで多くの新商品を投入したものの結果的に定番ブランドしか残ってこなかった過去を振り返り、「そこまでのブランド数は必要ないということ。今年は相当数淘汰されるとみており、どこを中心に残すか考えていく」と述べた。
健康意識の高まりに対しては、2022年に過去最高売上げを達成した糖質ゼロの発泡酒「アサヒスタイルフリー<生>」、糖質ゼロ・プリ案体ゼロ・カロリー最少級の新ジャンル「アサヒオフ」に注力。
新ジャンルは“すっきり・爽快”を求めるニーズに対しては「クリアアサヒ」、“コク・味わい”を求めるニーズには「アサヒ ザ・リッチ」の2つのブランドへの取り組みを強化し、認知拡大や受容喚起を図る。

RTDはエリア限定で全国販売を見据えた複数の新ブランドの発売を予定。顧客ニーズをこれまで以上に把握し、客との共創型ブランド育成による“NEXTレモンサワー創出”を実現させ、全く新しい選択肢・価値観の提案でRTDを2025年までの3か年で1.5倍へ成長させるプロジェクトをスタートさせる。

洋酒は主力の「ブラックニッカ」ブランドや、プレミアムレンジ商品の「竹鶴」「余市」「宮城峡」に注力し、ウイスキーの楽しさや魅力を発信する。
ワインは新ブランドの展開とともにエノテカとの協業を進め、幅広いラインナップを生かしてワインの魅力を伝えることで、新規飲用者拡大を目指す。

飲み方の多様性を尊重する「スマートドリンキング」は理念に賛同する和を更に広げるため、“飲めても、飲めなくても、みんな飲みトモ。”をキーメッセージに、吉本興業と大型コラボレーション施策を継続的に実施し、2025年までに“スマドリ”認知率40%を目指す。昨年の東京・渋谷“スマドリバー”オープンに続き、今年はスマドリバー初の新商品(3月予定)企業コラボやコラボ商品展開、大学連携、渋谷連携などを通じ、“飲まない人の聖地”としてのBARの価値向上と新価値提案に取り組んでいく。

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