連載(全5回)#2 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ

ちょうど今年ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのD.O.C.認証50周年を迎えた。それを祝して9月号より5回にわたり、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの造り手32軒の訪問記を連載する。立地条件による違いに加え、造り手がどのようなワインに仕上げたいかという意志により、ワインのスタイルや表現力が異なる。その要素を記したい。

 

カナリッキオ フランコ・パチェンティCanalicchio Franco Pacenti

 

モンタルチーノ北部に伝統的な葡萄栽培地、カナリッキオがある。フランコ・パチェンティが興したこのワイナリーは、次世代が引き継ぎ兄ロレンツォと妹リーザが取り仕切っている。畑は6か所あるが10haすべてが同じエリアにあり、北部らしいエレガンスを映し出している。

<伝統の地で伝統的な造り> <若い世代の感覚>

 

ilmarronetoイル・マッロネート Il Marroneto

イル・マッロネートのフラッグシップは、上級キュヴェの「マドンナ・デッレ・グラツィエ」だ。敷地内にある13世紀の小さな教会の名をつけた。ローマへの巡礼者が一休みする場所だった。「マローニ(大きな栗)」を粉にして作ったパンや野菜スープを施していたのだという。

<ピノ・ノワールに似たエレガンス> <種の重要性>

 

ラ・メリーナ スコペトーネ La Melina Scoopetone

いつもエレガントなタイプのイタリアワインを選ぶ人物から薦められ、ブルネッロとロッソを合わせても生産が1万本に満たない小さな造り手を尋ねた。ところが、約束の時間になっても番犬に吠えられるだけで、誰も出てきてはくれなかった。アポイントリストにある携帯電話にかけてみると、新しいセラーへ来てほしいと言われ慌てて移動した。

<2009年からの新体制> <アロマは北部ならでは>

 

フリーニ Fuligni

フリーニのブルネッロは、ブラインド・テイスティングをしていて必ず気になるワインのひとつだ。明確にフリーニだと判断できるわけではないが、誰がどこで造っているのか確認したいと思わせる。その上品さとストラクチャーを兼ね備えた味わいは、丘の北東部の標高の高い畑から生み出される。

<ビオンディ・サンティから購入した敷地> <クラシック&エレガンス>

 

カサノヴァ・ディ・ネーリ Casanova di Neri

カサノヴァ・ディ・ネーリは、いくつもの畑を所有している。本拠地がある丘の北東部、単一畑を生む東部、そして南部地区だ。敷地は合計で500haにも及び、そのうち63haが葡萄畑を構成する。これらの葡萄をどのように駆使しているのかを聞いた。

<7か所の畑> <濃密さと甘いタンニン>

 

コスタンティ Costanti

コスタンティの館の屋上まで昇ると、その場所が丘の頂にあることがわかる。だから館の周囲に広がる畑は北、南西、南向きと条件が異なる。「ここは200万年前に島だった場所で、ほとんどが岩でできていて粘土はない。粘土がある場所は、当時は海だった」と、1983年から継承したアンドレア・コスタンティは言う。

<唯一無二のテリトリー> <エレガンスとストラクチャー>

(Y. Nagoshi)

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