マイケル・クルーズが来日した。
輸入元のワイン・イン・スタイルによると、彼は「世界中から最も注目を浴びているカリフォルニア・ブランド『クルーズ・ワイン・カンパニー』『ウルトラマリン』のオーナー兼醸造家」だという。
聞けば、主にSNS などを使ってマーケティングをしているらしい。「アメリカのレストランへの年間割当が数本で、数多くのソムリエやワインバイヤーが喉から手が出るほど欲しがる人気ワイン」とも書いてある。ちっとも知らなかった。
マイケルはサンフランシスコ生まれ、イタリア移民の5 代目だという。小さい頃の家庭の食卓にワインは無かった。UC バークレー校で生化学を専攻した。ところがなぜか途中で路線を変更しサッターホームなどで実地にワイン造りを学んだ。
2006 年がファースト・ヴィンテージで2017 年は12 回目の収穫にあたる。
「昨今のカリフォルニアワインは本来の姿から逸脱している。カリフォルニアらしいワインを造りたい」というのが、ワインを造り始めた時のマイケルの強い思いだ。
<ウルトラマリン>
これはスパークリングワインのブランド。2009年に初めてシャンパーニュを訪問した。アンボネのマリー・ノエルという60 代女性の造るシャンパーニュを飲んで感激し、こういうワインを造ろうと決めた。
2008 年ヴィンテージから造り始めていたが、マイケル・クルーズに瓶内二次発酵ワイン造りの知識がなくて2008 年産と2009 年産は失敗した。初めて商品化できたのは2010 年産から。
ウルトラマリンにはシャルドネで造るブラン・ド・ブランと、ピノ・ノワールで造るブラン・ド・ノワールがある。ブドウはいずれもソノマ・コーストのチャールズ・ハインツの畑で採れたものを買っている。
ブラン・ド・ブラン2012 は38 か月熟成で、パティスリー、和柑橘、ラムネのような香りがする。後口に塩気のミネラルを感じる。
ブラン・ド・ノワール2012 も同じく38 か月熟成。パティスリー、熟柿、バラなどのアロマ。口中には茶葉のような香りがありやさしい味わい。クリーミーなフィニッシュでここにも塩気のミネラルが残る。いずれも小売価格は1 万円だという。(K.Bansho)
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