チリワイン・コノスル 新・醸造責任者はマティアス・リアス

この春、チリワインのコノスルから届いた知らせを見て驚いた。

コノスルの顔、社長兼醸造責任者のアドルフォ・ウルタドが退任したという。

 

アドルフォは30代で社長職に就き、進取の気概をもって国際市場で売れるワインを造ることに集中した。

「わたしたちには家柄もなければ埃をかぶった古いボトルもない。ただ品質あるのみ。
no family trees, no dusty bottles, just quality wine」というスローガンは、当時のチリでは画期的なものだった。

 

そしてピノ・ノワール、リースリング、ゲヴュルツトミネールなど当時のチリでは希少品種でワインを造ることに拘った。オシオを造り、世界最大のピノ・ノワール生産者になった。ワイナリー名のコノスルCono Surも企業ロゴに南アメリカのシルエットを採用したのも、この土地とワインを愛する若いスタッフが、地球の南の外れから世界へ打って出るという意気込みの表れだった。

 

アドルフォの仕事を継いだのはマティアス・リアスである。マティアスは10年以上にわたりアドルフォといっしょにコノスルで働いており、近年のヴィンテージは、ほぼマティアスが造ってきたと言ってもよいだろう。

だからコノスルのワインが大きく変わることはない。

「じつは数日前にアドルフォがワイナリーに訪ねて来て、一緒に仕込んだばかりの2018年産を試飲したんだ。アドバイスが欲しい時にはいつでも連絡が取れるから。大丈夫、何も変わらないよ。コノスルはコノスルだから」と、くだんの人懐っこい笑顔でマティアスが言い切った。

 

コノスルの輸入元・スマイルは、9月11日(火)に東京・渋谷のエクセルホテル東急で恒例の秋季試飲会を開く(入場無料、事前予約不要)。この会場で13:30から「コノスル・プレミアム・チリワイン・セミナー」が予定されている。講師はブランドアンバサダーのパウラ・ピニジャが務める。マティアスではないのが残念だが、オシオ、シレンシオ、センティネラなどマティアスとアドルフォの造ったワインを試飲できる。

 

WANDS 2018年7月8月合併号は「米国西海岸のワイン」「ボルドー・プリムール」「夏のスピリッツ」特集です。

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