メンドーサのボデガ・ノートン マルベックの多様性と潜在力

メンドーサのボデガ・ノートンは創業120年。クリスタルガラスで有名なスワロフスキー社が所有している。チーフ・ワインメーカーのダビド・ボノミが、1974年産マルベック(たぶん現存する最も古いヴィンテージのメンドーサワイン)を持って来日した。輸入元・エノテカは「アルゼンチン・マルベックの多様性とポテンシャルを探る」をテーマにテイスティング・ランチを開いた。

<ボデガ・ノートン>

1895 年にノートン家がメンドーサのルハン・デ・クージョで創業した。メンドーサワインは大量のコモンワインを製造し、バルクワインを列車でブエノスアイレスに運んでボトルやカラフェなどの容器に入れて販売していた。ところがノートンは1950年にボトルドワイン「ペルドリエル」を販売するなど、自らボトリングしたワインを販売した。

マルベック1974

だから今回、ダビドの持参した「ボデガ・ノートン・マルベック1974」は、とても貴重なメンドーサワインである。

 

それから100年近く経過した1989年に、ジェルノ・ランジュ・スワロフスキーがノートンを買収。スワロフスキーはアルゼンチンワインに投資した最初の外国企業である。当時のメンドーサワインの生産拠点はマイプーにあり、スワロフスキーはルハンでボトルドワインを造るボデガ・ノートンに興味を抱いたのだろう。

そして、1991年に息子のミッシェル・アルストリックに経営権が移った。現在、ノートンは1,265haの自社畑を所有し、このうち710haがルハン・デ・クージョにある。

アルゼンチンで輸出金額が5番目に大きなワイナリーで、年間2,600万本のワインを製造している。

 

<ダビド・ボノミ>

ダビドはメンドーサのブドウ栽培家に生まれた。大学で醸造学を学び、2002年にボデガ・ノートンに加わった。その後、いったん離れて外国のワイナリーで働き、2014年に醸造責任者としてノートンに戻った。

新しい知識とスキルを身につけたダビドは、マイプー、ルハン、ウコそれぞれの産地の特長に合わせたマルベックの表現に注意を払うようになった。世界のワイン関係者から注目される存在になり、2017年にはデカンター誌の“ 南米トップ10ワインメーカー”の一人に選出されている。

 

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