「リーファーワイン協会」発足記念講演にてドライとの違いを科学的に証明

昨年11月に一般社団法人として登録した「リーファーワイン協会(以下、RWA)」が、7月29日より活動を開始した。それを記念して、同協会の顧問を務めるエノログの戸塚昭氏の講演し、リーファーコンテナ輸送によるワインとドライコンテナ輸送によるワインの違いを科学的に明らかにした。また引き続き、シニアソムリエの下野隆祥氏、林暁男氏によって、比較試飲も行われた。

 

<戸塚昭氏による講演>

戸塚氏による講演は「幸せな人を不幸にする研究 —ワインの劣化現象を科学するー」という、不思議な題名だった。これは戸塚氏独特のアイロニーを含んだものだ。品質が高かろうが低かろうが、あるいは劣化していようが健全だろうが関係なく「自分の好きなワインが良いワインだ」と思い込んでいる人を「幸せな人」と位置づけ、実際にはその好みのワインが品質劣化している事実を科学的に証明することによって、その「幸せな人」を「不幸にする」研究を21年間行ってきた、という意味を含んでいた。

ワインの欠陥を個性だと信じている人へ対して、現実を伝えて目を覚ましてもらおう、という試みだ。以下、講演内容をまとめる。

*ワインの品質劣化の原因

品質劣化の原因は多いが、今回の協会の活動に関わる部分は、以下の通り。

—貯蔵・熟成時の管理不良

—生産者・流通業者の所有する倉庫から出荷後の管理不良

—酒類販売点店頭での管理不良

—飲食店内における管理不良

今回は、主に2番目の現地倉庫からの陸送、その後の海上輸送、日本到着後の倉庫での管理について焦点が当てられた。

*リーファーとドライの違い

リーファーは15〜18度の「定温輸送」であるのに対し、ドライは温度調整機能がないため、輸送中の温度変化がある上「ヨーロッパから日本へ輸入される場合、約40日間に亘りコンテナ内部が40度以上になる」。

ワインの貯蔵・熟成に最適な温度帯12〜18度を、遥かに上回っている。

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