- 2015-10-30
- NEWS, Wines, ポルトガル Portugal
ボルトガル領のマデイラ島で造られるマデイラワイン消費の大半は、実は料理用だという。長年マデイラの輸入を行ってきた木下インターナショナルが、今後の飲用市場の拡大を目指し、マデイラの入り口(エントラーダ)となる提案型情報発信基地の開設に踏み切った。
マデイラは、造りの段階で酸化熟成させているため、ボトル開栓後でも半永久的に品質が変わらない。これは通常のワインにも、他の酒精強化ワインにもない、マデイラの大きな強みだ。それを生かして「マデイラ エントラーダ」では、品揃える100種類すべてをグラスで飲める、という設定にした。
「マデイラ100選」と記された冊子には、ワインの名称や価格だけでなく、マデイラワインの造り方、葡萄品種や各種のマデイラにまつわる用語解説がされているので、これ一冊頭に入れればちょっとしたマデイラ通になれそうだ。ただ、初心者にいきなり100種のリストを渡されても迷うだけだ。むしろ3、4種類ずつの試飲セットのほうが面白いだろう。
「5年熟成の味わい比較」セットであれば、5年もののセルシアル、ヴェルデーリョ、ブアル、マルヴァジアの4種類の葡萄品種を比較できる。「熟成年数比較」セットは、3年、5年、10年、20年を。他にもメーカー3社比較や、ニュウェーブの比較セットも用意されている。
また、古いヴィンテージを豊富に所蔵するドリヴェイラから、2002年から古いものでは1850年という、貴重なマデイラが棚一面に飾られている。毎年必ずあるわけではないが、19世紀のものでさえグラスで注文できるのだ。
50年に亘るマデイラとの長い付き合いがあり、現地のバーベイト社に出資をし経営から携わってきた同社の歴史を物語る店舗で、熱いものを感じる。
「実は、連続テレビ小説『マッサン』で、亀山政春と鴨居欣次郎が和解した場面に感動して」、マデイラでも何か始めよう、という起爆剤になったと木下康光社長が漏らした。亀山が自らウイスキーを造るために鴨居商店の退職を申し出ると、鴨居は反対するが結局亀山の意志の強さを認め、退職金代わりに開業資金の一部を渡した場面のことだろう。数ヶ月で構想が決まり、大急ぎでのオープンとなった。
通常は、店長の佐藤氏(元・ホテル西洋銀座)がサーヴィスから軽食の調理などのすべてを取り仕切るが、月に何度かトークプロモーションの日が準備されている。木下社長をはじめ、スタッフでマデイラのエキスパートである長岡清彦氏、館農俊則氏、水戸市でワインショップを経営しマデイラのプロモーションも実施している植田真未氏などが店に立つ。
マデイラが100種類もグラスで飲める店は、世界的にも珍しいようだ。飲食店関係者が立ち寄りやすいように17時オープンにしているのも特徴だ。マデイラの飲用普及の風穴となるだろう。(Y. Nagoshi)
カテゴリー | ワインバー | |
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店名 | マデイラ エントラーダ | |
住所 | 東京都中央区銀座7-6-19 ソワレ・ド銀座 弥生ビルB1F | |
最寄駅 | 銀座 並木通り/資生堂銀座ビル向かい | |
電話など | 03-6264-5700 | |
営業時間 | 17:00〜23:30 | |
定休日 | 日祝休日(2015年10/31 – 11/3休業) | |
URL | http://www.kinoshita-intl.co.jp/madeiraentrada/index.html |
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