ガイアフロー静岡蒸溜所 「オール静岡ウイスキー」3年目の製造を開始

静岡でシングルモルトウイスキーを製造販売するガイアフローは、原材料すべてを静岡産にこだわった「オール静岡産ウイスキー」の今年度の製造を始めた。ウイスキー造りではアルコール収率が高い品種で価格の安い輸入大麦を使うことが多いが、近年はクラフト蒸留所を中心に地元産原料を使う動きが起こっている。同社の”オール静岡”の取組みも今回で3年目となる。

 静岡蒸溜所では、これまで大麦栽培の経験がなかった地元農家や組合と協働。2018年に近隣の玉川地区桂山及び富士宮で試験栽培した大麦を使用したのを皮切りに、2019年には焼津市の3軒の農家と協働。JAおおいがわ、静岡県経済農業協同組合連合会、静岡県農林技術研究所の協力を得て、二条大麦品種「ニューサチホゴールデン」の本格栽培を始め、2021年には静岡蒸溜所の年間生産量の約1割を賄えるほどに増えている。
 ウイスキー造りではあまり話題に上らない“酵母”も静岡産にこだわり、沼津工業技術支援センターで開発された「NMZ-0688」酵母を使用。一般的な輸入酵母と併用する。
仕込水は、蒸留所の側を流れる安倍中河内川の伏流水を、敷地内の井戸から汲みあげたもの。麦汁づくりからアルコール度数調整の加水まで、この良質な中硬水を使用している。
また同蒸溜所では世界でも唯一という薪直火蒸留機を設置しており、蒸留の燃料にも地元で伐採された間伐材を使用。健全な森林を維持するために発生するが、これまであまり使い道のなかった間伐材を有効活用している。
 ガイアフローの中村大航代表は「静岡のテロワールを表現した“静岡らしいウイスキー”⽬指して、試⾏錯誤を重ねています。農業の⽣産者や⾃治体の皆様と協⼒して、着実に前進できていることに感謝します。今後も静岡産の原材料での仕込みを増やしていきたいと考えています」と話している。

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