好調続くウイスキー市場

飲酒人口の高齢化や若年層の酒離れなどを受け、日本の酒類市場は縮小する一方だ。なかでも、国内酒類課税移出総数量の半数以上を占めるビール類(ビール、発泡酒、新ジャンル)の出荷数量は2005年以降、減り続けている。当初はより安価で経済的な新ジャンルへの流出が目立ったが、最近はリキュール・スピリッツ類(いわゆるRTD)へのシフトが進んでいる。

 

国税庁が先月発表した2018年の課税数量を見ても、国産・輸入をあわせた累計で前年より増加しているのは「ウイスキー」「甘味果実酒」「スピリッツ等」「リキュール」の4カテゴリーのみ。数量的にみると、缶入りチューハイなど「RTD」と言われる酒類で占められる「スピリッツ等」「リキュール」の好調が目立つが、「ウイスキー」も11年連続でのプラスを更新した。

 

財務省関税局による輸入通関の数字を見ても、2018 年は輸入酒類トータルの数量が11%減となる中、ウイスキーだけは23%増と大きく伸長している(ただしこの数字には、輸入ブランドの製品だけでなく、一部の「日本産」ウイスキーにブレンドされる原酒も含まれる)。

 

1983年をピークに減り続けてきたウイスキーの需要が復活したのは、サントリーが「角ハイボール」の提案を本格化した2008年から。さらに2012年に放映されたNHKの朝ドラ「マッサン」も追い風となり、ウイスキーに関心を持つ層は大きく広がった。ちなみに今期の朝ドラを受け、日清食品の「チキンラーメン」の売り上げは昨年、15年ぶりに過去最高を更新したというから、朝ドラ効果恐るべしである。

 

もともとお酒には弱い日本人、強いお酒をショットで飲んだり、バーでカクテルを楽しむよりも、食中にゆるゆると楽しみたい日本人には、「ハイボール」というスタイルがぴたりとマッチした。アルコール度数が低く、「とりあえずビール」でなくても、炭酸による爽快感が得られること。さらに、「若者のためのおしゃれなお酒」という酒類メーカーの大々的なイメージ戦略も奏功した。「ハイボール」は料飲店を起点に広がったが、近年、勢いを増しているのが、缶入りの「ハイボール」だ。

 

つづきはWANDS 2019年4月号をご覧ください。
4月号は「日本のワイン市場を読む、拡がるウイスキー市場」特集です。
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