テヌータ・ルーチェ Tenuta Luce さらなる高みへ向かうルーチェの世界

ルーチェのデビューは華々しく衝撃的だった。フレスコバルディ家とモンダヴィ家のジョイント・ヴェンチャーとして始まり、彼らが手がけた最初の2ヴィンテージ、1993年と1994年が同時に売り出された。それからおよそ10年、2004年に変革期が訪れた。マルケージ・ディ・フレスコバルディ家の単独所有となり、多くの改革が行われ、2018年春にはルーチェ専用ワイナリーも披露され更なる進化が始まった。

当初ルーチェは、フレスコバルディ家がモンタルチーノ南西部に所有するカステルジョコンドで造られていた。カステルジョコンドの畑では1970年代からサンジョヴェーゼだけでなくメルロやカベルネ・ソーヴィニヨンも栽培していたから、熟成中のワインからルーチェをクリエイトすることで始まった。それから2003年まではカステルジョコンドのブドウも使用していたようだ。

しかし、次第に独自の世界を築いていく。1997年から、サンジョヴェーゼの密植を開始。2003年から、ルーチェとしてブルネッロ・ディ・モンタルチーノを造り始めた。2004年から、ルーチェ専用畑のブドウだけを用いるとともに、新植も開始した。そして、2016年にカステルジョコンドに隣接するエステイトからワイナリーと畑を購入し、改装して2017年から専用の醸造所として使い始めた。2004年からすべてをランベルト・フレスコバルディがみていたが、2017年からステファノ・ルイーニが醸造長に着任した。

ルーチェ・チームの一員であるワインメーカーのエンリコが、畑や土壌について説明してくれた。現在稼働している畑は合計77haで、数年後からもう11haも使えるようになる。畑は標高350〜420m。標高の高い畑はシストと石灰質が混じるガレストロ土壌。少し低めの畑はシストに粘土が混じる。「晩熟なサンジョヴェーゼは早く成熟させるため保水性が低く温まりやすい石が多い土壌に、早熟のメルロは保水性の高い冷たい土壌が好ましい」。

醸造所には赤いセメントタンクが並んでいた。96hlの容量で18基ある……。(Y. Nagohi)

 

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