カクテルを通してブランドの真髄を探る OPIHR

<バーテンダーの発想その裏側を探るという愉しみ>
ブラッディー・カーラ×オピア ロンドン・ドライ・ジン
瀬川 治氏 カーラさん(マイ・スコッチ)

ジンをベースにしたカクテルと言っても、そのジンによって最適なカクテルは大きく変わる。日本において、一般的にはゲストが中身のジンまでを指定することはそう多くはないだろう。そこでは基本、定番のジンがあればいい。だが、クラフトジンの人気が高まってきた現在、多様なボダニカルやハーブ、スパイスを前面に出してくるユニークで面白みのあるジンのテイストを求める人も増えている。従来のスタンダードカクテルであれば、従来から歴史を重ねてきたジンが適していることは間違いない。だが、こうしたクラフト的なジンを生かそうと考えた場合は、柔軟な発想による新しいカクテルが必要であり、それもカクテルの面白さになる。新しいファンを獲得することにもつながるだろう。

 

そこでピックアップするのは「ブラッディー・カーラ」という新しいカクテル。「オピア ロンドン・ジン」30ml、「クラマト」90mlに、マドラー替わりのキュウリに氷、お好みでブラックペパーやタバスコというレシピだ。テイストはガスパチョを思わせる。クラマトはトマトジュース×クラムエキスというものだが、クラム以外にも出汁をひいたかのような旨みが不思議に感じられる。あえてオピア自体は冷やしてはいないが、その分、柔らかさ、ゆるやかさが心地よく伝わってくる。疲れた心身にも良さそうだ。

 

考案は、ブラジル・サンパウロ出身のカーラさん。「ハーブとスパイスからの思い付き。マジックです(笑)。名前も瀬川さんにつけていただきました」と謙遜するが、カクテルをブラッシュアップした瀬川さんは「日本人のバーテンダーの真面目な発想からは生まれないと思います。このレシピで他のジンも試してみたのですが、アルコールが突出したり、クラマトと香りが喧嘩したりでうまくいきません。オピアだから調和したのです」。オピアの柔らかいアルコール感と、オリエントなスパイスという特徴があるからこそのカクテルだ。
(中略)

もうひとつカーラさんの発想が生きているのが「ウニココ」。(中略)

このウニクム20mlにココナッツリキュール20ml、生クリーム20mlをシェイクで、最後に製菓用のココナッツロングを振る。東欧とカリブ海の出会いと言ったら想像が逞しすぎるかもしれないが、ウニクムの奥深さとココナッツリキュールのリゾート的な開放感が、不思議に手を取り合う。ウニクムの苦さを伴う爽やかさがふわっと香り、余韻に再びすっと締めてくれる。

(Daiji Iwase)

中略部分とつづきはWANDS 2019年5月号をご覧ください。
5月号は「カクテル」「イタリアワイン」特集です。
ウォンズのご購読・ご購入はこちらから
紙版とあわせてデジタル版もどうぞご利用ください!

 

輸入元:(「オピア」「ウニクム」ともに)国分グループ本社株式会社

 

WANDSメルマガ登録

関連記事

ページ上部へ戻る