- 2020-1-31
- Wines, イタリア Italy
アブルッツォ州が誇る銘醸ワイナリー、エミディオ・ぺぺ。創業者で現在87歳のエミディオは、未だ現役だ。「1964年の創業時から、一切変わらないワイン醸造を続けている。ブドウが育った年の特徴をワインにどれだけ生かせるのかが、祖父の信念」だと孫娘のキアラ・ぺぺ氏は言う。畑ではビオディナミ農法を採用。ほぼすべてのブドウは、アブルッツォ伝統のペルゴラ仕立て。「葉が太陽に向かって広がることで十分に光合成を行いエネルギーを生成する一方で、日陰で熟すためビロードのようにエレガントなタンニンが生まれる」。
赤ワインのモンテプルチアーノ・ダブルッツォ、白ワインのトレッビアーノ・ダブルッツォ、ペコリーノ・ビアンコとも、木樽は一切使わず、セメントタンクで自然発酵、ノン・フィルター、長期瓶熟がフィロソフィー。「モンテプルチアーノは、若い頃はエネルギッシュだが、10年から数10年の熟成により、エレガントさが出現。ブドウの強さと、熟成によるエレガンスの融合性こそが重要」。地下セラーには、現在35万本ものワインが瓶熟中。10年以上瓶熟しているワインを出荷する際には、1本ずつ手作業でデキャンタ。オリを除去した後、デキャンタを行なった年号を記載した新たなコルクを打栓する。
現在、イタリア国内ではモンテプルチアーノ・ダブルッツォ2017が流通しているが、これは若い畑のブドウを用いた商品(イタリア国内専用)。一方、1974年植樹の古い畑のブドウを用い8年以上の瓶熟を施したワインの現行ヴィンテージは2010年。これまで、2つの違いがわかりにくかったため、後者にはラベルの右上に「セレツィオーネ」の記載をつけるようになった。(Etsuko Tsukamoto)
輸入元:アビコ
つづきは、ウォンズ2019年1月号をご覧ください。
1月号の特集「イタリアワイン2020」「現地徹底取材 ブルゴーニュ」「人気上昇が続くウイスキー市場」。
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