上品なシャトーヌフ-デュ-パプ 16世紀からの伝統を守る老舗「シャトー・ラ・ネルト」

「シャトー・ラ・ネルト」は、1560年に名前が既に記載されている長い歴史を誇るシャトーヌフ-デュ-パプの造り手だ。しかし近年の歴史は、1985年に現在の当主リシャール一族が購入してからのことになる。

 

リシャール一族の所有となり、醸造をアラン・デュガが行うようになってから再び注目を浴び始めた。アラン・デュガの引退後は、2008年よりクリスチアン・ヴォーが醸造長を務めているという。何か変化があったのか、あるいはデュガの手法をどのように受け継いだのか、興味がある。

 

シャトー・ラ・ネルトはシャトーヌフ-デュ-パプ地域の南東部にあり、合計で90haの畑を所有している。65haはシャトーの囲りに、残りは少し北にある。ほぼ南向きの斜面で、土壌はシャトーヌフに存在する様々なタイプがすべて見られる。1731年からある畑地図には、50区画が記されており、今も当時と変わりなく、メイン品種もそのままだ。

フィロキセラの後1870〜1898年にいち早く接木をして再度植樹されたため、この地の最古の葡萄が残っているシャトーとしても知られている。最も古い畑からは上級キュヴェが造られている。白は「クロ・ドゥ・ボーヴニール」、赤は「キュヴェ・デ・カデット」で生産量は極小ながら秀逸だ。

 

ノーマルなキュヴェは、上品にとてもバランスよく仕上げられているため若いうちでも美味しく飲み始められるのが嬉しい。

 

シャトーヌフ-デュ-パプ 白 2014年は、熟した蜜リンゴや花など、フレッシュでオイリーさを思わせるリッチな香りがする。アルコール度数は13%だが、厚みがありまろやかな食感が心地よく、エキス的な要素も感じられる。2014年は夏が涼しかった年だが、それほどそのハンディを感じさせない充実感がある。品種は、グルナッシュ・ブラン、ルーサンヌ、クレーレット、ブールブーラン。

 

シャトーヌフ-デュ-パプ 赤 2012年は、強すぎずソフトな香りで、スパイスやなめし革、火を通したチェリーなどの香りが魅力的で、しばらく置いても良いけれど今でも美味しく飲み始められる。味わいも滑らかでハツラツとした酸も感じられて、落ち着きのある上品な印象。品種はグルナッシュが主体で44%、シラーが続いて37%、ムールヴェードル14%、サンソー5%となる。   (Y. Nagoshi)

輸入元:ベリー・ブラザーズ&ラッド

 

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