カリフォルニアワイン協会開催のウェビナー「ビハインド・ザ・ワインズ」その後

先だって行われたCWI主催のウェビナー「ビハインド・ザ・ワインズ」 日本特別編 イレイン・チューカン・ブラウンと「フリーマン・ファミリー・ヴィンヤード&ワイナリー」のアキコ・フリーマン氏によるセッションには日米合計で600名近い参加者があったと報告されている。

加えて、その時間内に投げかけられた質問に対しても以下のように丁寧な回答が返された。

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ご参加頂きました皆様へ

 

先日は、イレイン・チューカン・ブラウンと「フリーマン・ファミリー・ヴィンヤード&ワイナリー」のアキコ・フリーマン氏による【ビハインド・ザ・ワインズ ~ワインの裏側~】の日本向け特別編にご参加いただき、誠にありがとうございました。

このウェビナーの収録ビデオが、カリフォルニアワイン協会本部のYouTubeチャンネルでご視聴頂けるようになりました。【ご視聴はこちらをクリック

また、ウェビナー中に頂戴いたしましたイレインおよびアキコさんへのご質問で、時間内に回答できなかったものについては、下にQ&Aを記載しておりますので、ご覧ください。

 

なお、ワインライターであり教育者でもあるイレイン・チューカン・ブラウンが、ワイン生産者のゲストと会話をしながら展開する【ビハインド・ザ・ワインズ ~ワインの裏側~】ウェビナー・シリーズは、全世界でご好評を頂いたため、5月も継続されることになりました。

 

Dirty and Rowdy Family Wineryのオーナー・ワインメーカーであるHardy Wallace氏を迎えた次回(英語のみ)は、日本時間5月6日(水)午前2時(カリフォルニア時間5月5日(火)午前10時)からと、大変遅い時間ではありますが、ご興味のある方は、下記のリンクよりご登録の上、ご参加ください。

【ご登録はこちらをクリック

今後もどうぞよろしくお願いいたします。

 

カリフォルニアワイン協会日本事務所

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QA

(注:質問文はウェビナー開催中に投稿されたままの表記にしています。)

 

Q:   YU-KIの方がGLORIAよりアルコールが高いのは標高の寒暖差があるからなのでしょうか?
A: 毎年必ずYu-kiのワインの方がグロリアよりもアルコール度数が高いというわけではありません。しかし、Yu-kiの畑の方が涼しい場所にある為、ブドウの酸度が高く、酸が落ち着いて、味にいい感じのフレーヴァーが出てくるのを待っている間に糖分も上がって、アルコール度数が少しだけグロリアよりも高くなることはあります。(アキコ)

 

Q:   Fort Ross Seaview AVAとの関係性はどーなるのでしょう?RedcarとかFlowersとか。Overlapしないとなると
A: AVAの重複(Overlap)については、従来は禁止されておらず、その結果、カリフォルニアでは、例えばソノマ・コーストAVAとロシアン・リヴァー・ヴァレーAVAのように、それぞれの境界が相互に入り込み、結果的に一部分が重なり合うようなAVAが多く存在しています。

しかし、近年改正されたアペレーションに関する米国の法律により、既存のAVAの一部と重複するような新しいAVAは作ることはできなくなりました。したがって、申請中のウエスト・ソノマ・コーストのような新しいAVAが、既存のAVAに越境して重なりあうことは認められていません。(For any new AVAs, like the proposed West Sonoma Coast AVA, the boundaries of the new AVA cannot overlap any already existing AVA.)

ただし、新AVAが既存のAVAに完全に内在する形で提案することは可能です。例えば、ロシアン・リヴァー・ヴァレーAVAのグリーン・ヴァレーの境界は、完全にロシアン・リヴァー・ヴァレーAVA 内にあります。同様に、フォート・ロス・シーヴューAVAは、ソノマ・コーストAVAの外側の境界線を超えておらず、現在申請中のウエスト・ソノマ・コーストAVAに内包されています。 新AVAが認可されれば、現在のフォート・ロス・シーヴューAVAにある畑は、フォート・ロス・シーヴューAVAにも、ウエスト・ソノマ・コーストAVAにも入るということになります。

フォート・ロス・シーヴューAVAは山が多く、標高が高いです。ウエスト・ソノマ・コーストAVAには、フォート・ロス・シーヴューAVAほど標高が高くない地域を含む、より広範囲の沿岸山脈が含まれます。フォート・ロス・シーヴューAVAはソノマ・コーストの最も高い山々ですが、ウエスト・ソノマ・コーストは、ソノマ・コースト全体の山々になります。(イレイン)

 

Q:   うまみ、だし風味は明子さんのワイナリーだけの特徴ですか、それともほかのワイナリーのワインにも同じような傾向があるのでしょうか?
A: フリーマンだけではなく、ウエスト・ソノマ・コーストから出来るワインには、うまみのあるワインが多いです。(アキコ)

 

Q:   エレガントなピノを造る畑の㏗は、酸性よりの赤い系土壌とアルカリ性よりの土壌、どちらが自分が造るワインに向いていますか?
A: アルカリ性の畑の方が、ワイン用のブドウを作るには向いています。(アキコ)

 

Q:   green valleyWest Coast AVAに含めたい、というお話がありましたが、生産者としてわざわざ、

ロシアン・リヴァー・ヴァレーを離れてうつるメリットは何ですか?

A: 損得ではなく、グリーン・ヴァレーから出来るワインは、ロシアン・リヴァー・ヴァレーというよりは

ウエスト・ソノマ・コーストの特徴(風味)を持っていると思うからです。しかし、ウエスト・ソノマ・コーストのAVAが確立されれば、ウエスト・ソノマ・コーストのAVAをラベルに記されたワインはもっと高値でお取引が出来るとも推定されています。カリフォルニアのGrand Cru承認が付いたようなものだと思っていただけばよいかも知れません。(アキコ)

 

Q:   同じGreen ValleyKeeferと異なる点はどこですか?
A: Keeferの畑とGloriaの比較ということでしょうか?Keeferはブドウの樹齢が40年近くなりますので、成熟した味を出します。Gloriaはまだ14-15年の若木ですので、これからもどんどん成熟して、より良い味を出してくれると思っています。また、同じGreen Valleyの中でも、Gloriaは Keeferよりも標高の高い位置にあって、風が良く通る為、べと病などの病気になりにくく、有機栽培がしやすい環境にあります。(アキコ)

 

Q:   PivotGloriaで収穫時期はかなり変わるのでしょうか?
A: 収穫期は畑の場所と、その気候などの環境にも左右されますが、ワインメーカーの好むスタイルによっても大きく違ってきます。もし、私が両方の畑からワインを作っていれば、二つの畑の収穫はほとんど同じ頃にすると思いますが、リトライのワインメーカーのテッドさんと私ではスタイルが少し違うので、収穫期も違ってきます。(アキコ)

 

Q:   FOGLINEは日本で言うと雲海?
A: 霧が上がってくる上限の高さをフォグラインと言います。(CWI)

 

Q:   Dry Farmingについてのお考えをお聞かせください(抑制の効いたスタイルに対してのアプローチのひとつだと思いますので)。
A: ドライ・ファーミング(乾地農業)は、適切な土壌と適切な気候条件がある地域で非常にうまくいきます。夏に雨が全く降らない地中海性気候では、この農法は難しくなる可能性がありますが、適度な水分を保持する下層土があれば、うまくいく場合があります。ドライ・ファーミングを行うと、ブドウの収穫量が低下し、これにより、一般的には、ワインの凝縮感が増し、しっかりとした味わいになります。しかし、あまりにも乾燥しすぎた地域や年にドライ・ファーミングを行うと、ブドウの木にストレスを与え、結果的にワインの味わいにも現れます。ブドウの木のストレスにより、ワインの味わいの中盤が薄く感じることがあり、また、出来上がったワインの味わいが弱く感じることがあります。したがって、ドライ・ファーミングは、非常に注意を要する農法であり、また、適切な土壌と気候の条件によって、ブドウが健康な状態を維持できる適切な場所でのみ行う必要があります。(イレイン)

 

Q:   2つの畑をブドウ栽培地として決定する前に、達成したいそれぞれの香りや風味を明確に思い描いていましたか?
A: もちろんまず作りたいワインのスタイルがあって土地を選んでいるので、目指すところはあります。

しかし、自然の環境によって必ず思った様に事が運ぶわけではありません。ただし、ブドウの育て方、クローンの選び方、土の作り方などを工夫して、より理想に近い形にする努力はしています。(アキコ)

 

Q:   ウエスト・ソノマ・コーストとフォート・ロス・シー・ヴィユーのピノ・ノワールのワインの特徴の違いは?
A: フォート・ロス・シーヴューAVAは、申請中のより広大なウエスト・ソノマ・コーストAVAの一部です。そのことを念頭に置くと、栽培条件は十分同じと言え、一般的に、ワインの特徴はほぼ同じです。

ただし、ヴァリエーションは、畑、またはワインメーカーによって様々です。(イレイン)

 

Q:   「旨味のある」という表現がされますが、アメリカでの受け入れられ方は如何でしょうか?
A: 旨味のコンセプトは、レストラン・ワイン業界方ならば、アメリカでもすでに広く理解されて来ています。アメリカでは、旨味をセイヴォリー(滋味)がある、という風に解釈しています。(アキコ)

 

Q:   スパークリングワインはPet Natではなく、瓶内二次発酵でしょうか?
A: 瓶内二次発酵で完全にシャンパーニュの伝統的な作り方をします。でもワインが出来る前に私が腱鞘炎に

なるかもしれませんね(笑)。(アキコ)

 

当日ご紹介したワイン

フリーマン・ファミリー・ヴィンヤード&ワイナリー(輸入元:ワイン・イン・スタイル)

・フリーマン ユーキ・エステート ピノ・ノワール ソノマ・コースト 2016

・フリーマン グロリア・エステート「輝」ピノ・ノワール ロシアン・リヴァー・ヴァレー 2016

・フリーマン アキコズ・キュヴェ ピノ・ノワール ソノマコースト 2016

リトライ・ワインズ(輸入元:布袋ワインズ)

・リトライ ピヴォット・ヴィンヤード ピノ・ノワール  2017

ペイ・ヴィンヤーズ(輸入元:ヴィノラム)

・ペイ エステイト ピノ・ノワール スキャロップ・シェルフ 2014

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