至高のジュヴレ・シャンベルタンの造り手 デュガ・ピィから若き当主ロイク・デュガ・ピィ来日!

来日したロイク・デュガ・ピィは2014年からすべてを決める権限を持つようになり、昨年2017年に当主となった。13代目にあたる。日本を尋ねるのはドメーヌ始まって依頼出来事だという。畑仕事が忙しくてとても出かけられない、というのが理由だ。ロイクももちろん畑の人だが「冬の間なら」と飛行機を手配した。

 

古きドメーヌ

実に長寿なワインを造るデュガ・ピィはジュヴレ・シャンベルタン村で最も古いドメーヌで、そのカーヴは1,000年前からありブルゴーニュで最も古いと言われている。1970年代から一部瓶詰めをしており、父ベルナールの代になり80年代からはすべて瓶詰めしている。

現在合計で13ha(うち3haは親戚筋とのアンフェルマージュ)の畑から23銘柄を造っており、すべてが古樹で若くて樹齢50年、平均75年という古さだ。そのほとんどがジュヴレ内にあるが、白もコルトン・シャルルマーニュからAOCブルゴーニュまでいくらか造っている。

デュガ・ピィでは「テロワールを尊重した仕事をすることが第一義」で、父のベルナールとともに20年ほど前から有機栽培に取り組んでいる。うち3haは馬での耕作を始めた。土壌を固くしたりブドウを傷めたりしないために、機械の使用を最小限に抑えており、成長期の摘芯・ロニャージュも一切しなくなった。

ブドウそのもの、あるいはワインの香りや味わいに何か変化はあったかどうか尋ねると「明確に、葉の色が鮮明な緑色になってくる。そして、毎年の収穫量が安定する。たくさん房がつくことも少な過ぎるということもない。5年から10年して、ワインにも複雑性が出て、ニュアンスがはっきりとしてくるし、テロワールの特徴がより明らかになってきたと実感している。4、5年前からひとつの畑で有機栽培とビオディナミに分けて経過を観察しているところ。醸造においては補糖も補酸もせず、添加するのは亜硫酸をほんの少量だけ」だという。

一言でデュガ・ピィを表すとすれば「赤白ともに、有機栽培により凝縮しているとともにフレッシュなミネラル感豊かなワインだ」と表現した。

 

白ワイン

ムルソーとシャサーニュ・モンラッシェを試飲した。デュガ・ピィでは、かつてジュヴレの畑からA0Cブルゴーニュ白を自家消費用に造っていたそうだ。1963年が最後でその後途絶えていたが、昔の白を飲んでとてもよいできだったので、再び白を造りたいと考えていたところ、ちょうどよい畑が見つかったので白にも取り組み始めた。ラボー・サン・ジャックの上方に白い土壌があり、以前はそこでシャルドネを栽培していた。

3分の1haほどの畑で、収穫量が20hl/haを超えることはない。どちらも3分の1が新樽で20ヶ月熟成させる。少量なので日米英の3ヶ国にだけ輸出している。

 

Meursault Vieilles Vignes 2014 ムルソー ヴィエイユ・ヴィーニュ2014

2003年から造り始めた。樹齢85年の、オー・ヴィラージュというリューディ。白ワインを再開してから初めて造ったキュヴェ。

ムルソーらしい厚みや粘性を感じる香りと味わいで、熟した果実、マンゴー、はちみつ、バニラなど。なめらかな口当たりで、厚みがあり、ミネラルと酸もしっかり。若々しさ、エネルギーを感じる味わい。

 

Chassagne-Montrachet 1er Cru Morgeot Blanc 2012シャサーニュ・モンラッシェ 1er Cru モルジョ 2012

2004年から造り始めた。樹齢75歳以上。モルジョの上方のリューディ。

ミネラル感が前面に出たスタイル。桃、ほんのりとしたバニラなどの上品な香り。果実の熟度は高いがミネラル感も強い。よりタイトで、余韻が長い。ミネラリーで酸のフレッシュさがともなって、とっても若い状態。

 

 

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