宝酒造、”エシカル3.0”の取組みスタート RTD新ブランド「すみか」発売

宝酒造はRTD新ブランド“タカラcanチューハイ「すみか」<#国産レモン>”、“同<#国産ゆず>”、“同<#国産ぶどう>”を9月28日に全国発売する。破棄されることが多い果皮など、国産果実素材を無駄なく有効利用した“ちょっとエシカル”な商品。辛口果汁系という新たなポジショニングでRTD市場の更なる活性化を目指す。

中味は、果汁を搾った後に廃棄されることが多い果皮などから、独自技術により抽出した“国産フルーツエッセンス”を使用。甘さを抑えながらスッキリ爽やかな果実感のある味わいを実現した。ベースアルコールには独自の樽貯蔵熟成焼酎を使用し、国産フルーツエッセンスの風味が活きた程よい酒感が楽しめる。糖質70%で健康意識の高い人にもおすすめ。
ネーミングは「すみきった果実感」ある味わいと「住処=おうちを楽しんでほしい」という発想から名付けられた。パッケージは「おうちでゆったりした気分で飲む」シーンをイメージし、白を基調にシンプルで軽やかなタッチのイラストをあしらい、親しみやすいデザインに仕上げた。
各Abv.5%。同社では初めての純アルコール量を表示しており、それぞれ350㎖あたり14g、500㎖あたり20g。参考小売は350㎖缶130円、500㎖缶172円(税別)。

 商品開発の背景について商品第一部ソフアル課の石田綾奈氏は「長引くコロナ禍でRTDの消費傾向は、低アル化傾向が継続している」と話す。特に高アルから中アルへのシフトが顕著で、特にアル分5%が総市場の67%に拡大。一方でRTDの甘さや糖質の多さに不満を抱えているユーザーが多く、2つのニーズを充足させる巨大な“5%辛口市場”が出現する兆しがあるという。
ただ、その中でも「低アル化する辛口系ユーザー」は「TaKaRa焼酎ハイボール」など既存の酒場訴求ブランドの派生品で満足できるが、「辛口化する果汁系ユーザー」は「おじさんぽい」などの理由で酒場訴求商品を好まないことから、果実感のある新しいチューハイを開発した。

中味開発にあたっては「甘くない・飲み飽きない・すっきりした果実感」を目指して素材開発から着手。「果汁だけでは実現できないことから、果実感が凝縮された果皮に注目。果実の香り・味わい成分を多く含む“フルーツエッセンス”を開発した」(石田氏)。
果実を搾汁後、大量に発生するが通常は利用されず廃棄されている果皮を活用。独自の「蒸溜抽出法」では香料では再現できないフレッシュな香り成分、「エスプレッソ(高温高圧)抽出法」では果汁や添加物では再現できない複雑でボリュームある味わい成分の2つのエッセンスを抽出。新たにブレンドした2種類の樽貯蔵熟成酒との組み合わせで、甘くなく飲み飽きない味わいを実現した。
未利用部位を有効活用することで食品ロスを削減できるだけでなく、果実総重量の75%(レモンの場合)を占める未利用の果皮を加工品として販売できることで生産者の収入増につながる。また果実、焼酎・糖類・添加物は国産および国内製造100%で日本の食料自給率向上、海外から運搬の必要がなくCO2排出削減など、様々な面で「エシカル」な商品であることを缶裏や店頭POPなどでアピールしていく。

宝酒造ではチューハイでの「エシカル」の取組みを以前から続けている。愛媛でのブラッドオレンジ産地化・普及促進に協力して商品化したのをはじめとした「直搾り-日本の農園から」シリーズ(2011~2019)がいわば“エシカル1.0”。続く“2.0”は地域限定・通年販売することにより地域ブランド化や収穫増につなげ地産地消の促進を目指した「寶CRAFT」シリーズ(2017~)。柚子の場合で果汁だけなら10%の利用率を、果皮オイル、皮ペーストまで活用することで90%以上に引き上げることで、原料コストを抑え地元の特産品づくりなどへの活用の道を開いた。


商品第一部長の吉田隆裕氏は「これがコロナ禍によって状況が激変。観光需要の減少や外食の抑制により国産果実の消費量が減り、高コストな小規模産地ほど影響が大きく、環境変化に強くより持続可能なモデルの構築が急がれた。このため新商品の『すみか』は、日本各地の果実を供給可能な量や形態で組み合わせて加工することで、よりフレキシブルな原料調達を実現した」と話す。
“うまく使われずムダになってしまう国産果実を救いたい”“もっと日本中の産地と繋がって、持続的に盛り上げていきたい”という想いを商品名やフレーバー名に乗せて、宝酒造の“エシカル3.0”の取組みがスタートする。

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