日本の白ワイン造りにおいてエポックメイキングな銘柄「甲州きいろ香」10周年

甲州きいろ香のラベルには、青い鳥「きいろ」の姿が見える

甲州きいろ香のラベルには、青い鳥「きいろ」の姿が見える

「甲州きいろ香 2014」生産量2万本。七沢地区中心。クリアーで立ちのぼるフレッシュなグレープフルーツや白い花の香りがし、しなやかでクリスピーな、清楚な味わい。

「甲州きいろ香 キュヴェ・ウエノ 2014」生産は2,000本のみ。上野園より厳選。砂礫質で標高が400mと高く、夜温が低い。フェノール成分が多いと苦みに繋がるため、笠かけをしてフェノール生成を抑えている。実はピンクではなくて緑色。より熟したフレッシュな柑橘類の香りがし、酸がきれい。厚みも感じられ、なめらかな触感。

この他に、生産量はわずかでワイナリー限定発売予定のキュヴェがある。「勝沼甲州セレクテッド・ヴィンヤーズ 2014」は、600本の生産で、

甘い果実や花の香りがし、厚みがあり収れん性も感じられた。「穂坂甲州セレクテッド・ヴィンヤーズ 2014」は1,200本生産で、閉じているがフェノールを思わせる香りで、なめらかな食感。収れん性はそれほど多くなく、バランスよい。

そして「グリ・ド・グリ」も、更に進化を遂げていた。

「2007から2010年にかけては、きいろ香も開発していたため、香りも求めていたが、グリには香りより味を求めると決め、醸しの比率を増やしていった。現在、醸しを3〜4割、スキンコンタクト2〜3割、プレス1割というブレンド。タンニンはそのままステンレスタンクだとバランス悪いので、一部樽発酵させ、4か月樽で熟成させる」と小林氏。

「グリ・ド・グリ2014」オレンジの果皮のような控えめな香りで、インパクトのある味わい。

「グリ・ド・グリ無濾過 2013」香ばしいみかんの果皮、ドライアプリコットなどの香り。ほのかに甘味が感じられ、厚みはあり、収れん性も豊か。

きいろ香への取り組みで、甲州についてだけでなく、白ワインについての化学的なアプローチ方法も随分変化したようで「エポックメイキングなワインになった」と、藤野氏が締めくくった。

(Y. Nagoshi)

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