魅惑のオルネッライア その2:白、甘口、グラッパ

魅惑のオルネッライア その1:熟成 のつづき)

「テヌータ・デル・オルネッライア」におけるCEOジョヴァンニ・ゲッデス・ダ・フィリカーヤ氏による改革は、実に様々だ。1997年にセカンドワインである「レ・セッレ・ヌオーヴェ・デル・オルネッライア」を造り始めたのもゲッデス氏によるもの。2005年の20周年記念ボトル。2006年から始まった「ヴェンデミア・ダルティスタ」プロジェクト。最高醸造責任者アクセル・ハインツ氏の起用。「マッセート」を別ブラントとして独立させることにより、オルネッライアによりスポットが当たるようにした施策など、枚挙にいとまがない。

ロドヴィコ・アンティノリ氏が愛していたソーヴィニヨン・ブランの白ワインの復活も遂げた。2009年と2010年はソーヴィニヨン・ブラン100%だったが、2011年からヴィオニエが少量ブレンドされ始め、2013年からはヴェルメンティーノ、ヴェルディッキオも加わった。

2019年の「ポッジョ・アッレ・ガッツェ・デル・オルネッライア」は、ソーヴィニヨン・ブラン78%、ヴェルメンティーノ16%、ヴェルディッキオ6%のブレンドだ(ちなみに2018年はソーヴィニヨン・ブラン83%、ヴェルメンティーノ11%、ヴィオニエ6%と、年によりブレンドが異なる)。パイナップルのようなトロピカルな熟した果実の香りが華やかで、しなやかでシームレスなテクスチャー。そして柑橘類の白い皮の部分のようなほのかな渋みが味わいを引き締める。上品な、潮風を思わせる白ワインだ。

 

今回初めて甘口白ワインの「オルヌス・デル・オルネッライア」に出会った。2013年ヴィンテージで、プティ・マンサン100%。2008年から造っているようだ。キャラメルやオレンジピール、アプリコットなどのドライフルーツ、ナッツのような複雑で甘い香り。トロリとした食感で、甘いながらマロラクティックを施さず残した酸がフレッシュなので後味はすっきりとする。この日はフォアグラと合わせるという黄金のコンビネーションだったが、クリスマスのデザートとして、あるいは年始のお節料理のお伴として最適なアイテムだ。

 

もうひとつの新たな出会いは「エリゴ・デル・オルネッライア グラッパ・レゼルヴァ」。オルネッライアのカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドを、トスカーナの蒸留所へ持ち込み、小型の銅製蒸留器で蒸留しオルネッライア専用のフレンチオーク樽で3年以上熟成させたもの。とても穏やかで複雑性ある香り、そしてなめらかな口当たりの上質なグラッパだった。この冬に、デザートや上質なナッツなどとゆるりと楽しみたい欲望に駆られた。(Y. Nagoshi)

 

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