20回目のヴィンテージ マッツェイ家の「シエピ」

キアンティ・クラッシコ・フォンテルトリの名門マッツェイ家が造るスーパー・タスカン「シエピSiepi」。そのシエピが1992年のファースト・ヴィンテージから数えて20回目のヴィンテージを迎えた。これを祝って限定数量のコレクターズ・ボトルを用意し、フィリッポとフランチェスコのマッツェイ親子が世界の主だった都市で披露目の会を催している。東京では2月3日に行われた。

 

シエピという名の葡萄畑はマッツェイ家がフォンテルトリを始めた時から存在したという記録が残っている。マッツェイ家は1980年代の初め、ここにメルロを植えた。石灰分を含んだ粘土質土壌がメルロ栽培に適していること、メルロはサンジョヴェーゼとの相性が良いことなどが植栽理由だった。

 

丘陵地の頂上部にあるシエピ畑は周囲をオーク林に囲まれており、昼夜の寒暖差が大きいのが特徴だ。1992年、ここのメルロとサンジョヴェーゼを半々でブレンドして生まれたのがシエピだ。今回、試飲に供されたのは1992年、1997年、2004年、2012年の4ヴィンテージ。いずれも豊かで温かみのあるシエピのスタイルを守りながら、時々の世相をワインに反映している。

 

シエピ1992 メルロとサンジョヴェーゼを分けて発酵させ、アサンブラージュしてから樽熟成している。乾燥したハーブや皮革などの熟成香が出て、果実味は残してはいるがピークを少し過ぎたかなという印象。

 

シエピ1997 醸造もバリック熟成も品種ごとに分けた。サンジョヴェーゼは16か月、メルロは18か月。しっかりしたストラクチャー、味わいに強さがある。素晴らしい気象条件に恵まれてシエピの造り方が確立した感じがする。

 

シエピ2004 マロラクティック発酵をバリックで行い新樽比率は90%になった。甘いハーブや熟したフルーツ、チョコレートなどの香り。オークの要素が強く感じられるパワフルなワイン。

 

シエピ2012 バリックとトンノを半々で使い新樽比率は50%まで下げた。新鮮な果実が香りにも味わいにも活きている。滑らかなタンニンと上質の酸味、バランスが良く凝縮していてエレガント。新しいタイプの味わいに仕上がっている。

(K.B.)

画像:フィリッポとフランチェスコのマッツェイ親子

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